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13/3/16

出産

Image by Olia Gozha

息子が生まれた時、私は運良く(シルバーウィーク中で嫁さんの実家に戻っていたので)出産の現場に立ち会う事ができた。

よく、その事を話すと「立ち会い出産ってどう?」と聞かれるのだが、その度に私は「どうせ男は何もできないよ」と答えている。どちらかというと、その質問は嫁さんにしてもらった方がいいかもしれないとも思う。

事実、おなかを痛めるのは嫁さんだし、生まれて初めて全力で外の世界に出ようとするのは息子だし。もちろん、生まれた瞬間の感動を得る事はできるし、生まれたばかりの息子のずっしりとした重たさは今でも覚えているのだが、今となっては私は出産に立ち会ったというよりは「立ち会わせてもらった」という方が近い気がする。

ラマーズ法を一緒にやったり、激痛に顔を歪める嫁さんの手をずっと握っていたりと、一般的に想像される事はもちろんやったが、それを嫁さんが覚えていて「あの時はありがとう」だなんて言われるなんて到底あり得ないし、そんなに余裕のある出産は稀だろう。

言わずもがなだが、出産というのは人生においてとんでもなく大変なイベントなわけであって、現に嫁さんも出血量が多くて数日はふらふらだったし、息子だって出て来た瞬間に首にへその緒が巻き付いていて、一時的に心音が下がったりと何かとひやっとするシーンがあった(そして私はそんな中で最悪の事態が頭をよぎった結果、その場で気絶しかけた)。

もちろん、出産は父親がいなければ成り立たない訳だが、その場は母親と子どもが一緒に死に物狂いで挑む難関なのであって、それを父親は見守る事しかできないんだなと痛感したのを覚えている。そしてその結果、私は「嫁さんには一生勝てないな」と悟った。

再度言うが、出産の際は男はたいてい何もできないと私は思っている。だが同時に、出産に立ち会う事は可能であればぜひともお勧めする。(現に9月に第二子を授かる事になったのだが、私はぜひともその場に立ち会わせてもらいたいと考えている。)

そして、そこで何もできないと悟ってもらう事もお勧めする。その場で何もできなかった分、それから何ができるのか、それまでに何ができていたのかを少なからず考えるきっかけになる筈だから。

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