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14/6/30

【リアルカイジ】元公務員K氏に教わった違法カジノで自分の人生がたった180日で○○になり、その後●●になった話

Image by Olia Gozha

※ これからお話する内容には違法な内容がてんこもりです。

あくまでもフィクションという事でおさめて頂ければ幸いです。



遠くから微かに歌が聞こえる。


♬ あなたに〜 会えて〜 よかった〜

  あなたには希望の〜 匂いがする〜

  つまずいて〜 傷ついて〜 泣き叫んでも〜

  さわやかな希望の〜 匂いがする〜 ♬


気づいたらいつもの公園にいた。

ここから見える景色はいつもとは全く違う。

もう、歩けない‥‥。

目の前がぐにゃぐにゃに見えて足下がおぼつかない。

時計を見ると朝の6時。

近くのお年寄りたちが優雅に太極拳を踊っている。


忘れもしない、曲名は和田アキ子さんの

「あの鐘をならすのはあなた」

なんて今の自分に染み渡る曲なんだろう‥‥‥。

この半年の出来事が走馬灯のように蘇る。

膝に力が入らず、泣きながらその場に崩れ落ちる。


やっと気づけた。


本当にやっと。。。。。


そうだ、僕はここから離れなきゃいけない。




第一章
運命を変えたK氏との出会い


10数年前、一人の女友達と買い物に行き

気に入った服を買おうとするときいつもこう言われた。

女友達「その服K氏持ってる!」

「K氏ってだれ?」

女友達「この前買ってた!」


知らんがな!


しかし、その女友達と合うたびにK氏の事ばかり。


そんなある日、


女友達「何か性格とか服の趣味合いそうやし、会ってみたらいいやん!てか、紹介させてーー!」

「ちょっと待ってくれ。俺には一回り以上のおっさんと会う程暇じゃないし、そもそもホモでもなんでもない。」

女友達「ホモどころか女の子好きすぎる奴やん!笑」

「うるさいわ!笑 けど、嫌なもんは嫌です。」

そういってことごとく断ってきた。


その子曰く、K氏周辺の方々はここらへんではなかなか有名な方達らしく

女友達「高級タワーマンションに住んでてー!」

「ふーん。」


全然興味ない。


女友達「フェラーリに乗っててー!」

「すごいねー。」

棒読み

女友達「モデルの卵とか可愛い女子大生とパーティーばっかりしてる。」

「そそ、そうなんだっ!!?」


動揺っ!!


そう聞いて、単純な僕は心がぐらんぐらん揺らいでしまった。

モデルの卵とか可愛い女子大生とパ、パ、パーテーー。

したいっ!


「じ、じゃあそこまで言うなら会ってみてもいいかなー。」

クズである。


場所は僕の最寄り駅にまできてくれるという事で後日駅前で待ち合わせる事に。

女子大生とパーティー!デルモとパーティー!

と心の中で連呼する。

所詮、20そこそこのモチベーションはそんな所です。


午後8時駅前。

そこにあらわれたのは身長185センチほどのどこにでもいそうな優しいお兄さんだった。


僕は拍子抜けした
∑(・Д・・)


派手に遊んでいると聞いたのでギラギラしている

いかにもなおっさんを想像していたから。


けれどよく見ると、格好もシンプルだが鞄や時計は超高級ブランドで固めていた。

クズ「初めまして、○○といいます。」

K氏「初めまして、Kです。」

クズ「ずっと●●(女友達)からいろいろ聞いていましてやっとお会いできました!」

本当はそんな事、木っ端微塵も思っていない。



K氏「ほんまやね!ずっと俺も●●(女友達)から聞いてたから会ってみたかってん!よろしく!」


そこから3人で居酒屋に移動し、たわいもない話をした。

その日は軽くご飯を食べK氏と連絡先を交換し解散した。


そして次の日、K氏からメールが


mail
(今日何してる?よかったら2人でご飯でもいこうや!)


ん???(´・ω・`)?

二人で?

少し僕は困惑した、、、、


この人、ほんとにホモちゃうか?


けど、せっかく誘ってもらったし、悪い人じゃなさそうなので

会ってみる事にした。


もし告白されたらすぐ逃げよう、、


場所はまた自分の家の近く、

今度は2人きりなので、もっと深い話をした。


今は不動産の会社をしている事。


昔は地方の田舎町で公務員をしていた事。


最近、こちらに戻ってきて昔の友達と遊んでいる事。


数時間たっぷり話した後、解散。

次回お互いに大のカレー好きという事でカレーを食べに行く事になった。

数日後、

K氏に迎えに来てもらい、愛車のピカピカのフェラーリにのせてもらう。

当時20そこそこだった僕は初めての高級車に感動したのを覚えている。


その日を境にK氏の周りの人たちにも紹介されるようになった。

どの人もかなりのお金持ちで実際にタワーマンションの最上階のパーティーやクルージング、念願の現役モデルや有名女子大生とのコンパなど刺激的な毎日だった。


しかしこの後、僕はもっと刺激的な毎日を送る事になる。




第2章
違法カジノとの出会い


K氏と1ヶ月くらいずっと遊んでいて僕もあまり気を使わずに接すくらいに仲良くなった時、突然K氏に言われた。

K氏「バカラって知ってる?」

「ばからって何です?」

K氏「トランプのゲーム。」

「聞いた事ないです。トランプのゲームがどうかしたんですか?」

K氏「いいからちょっとついてきて」


そういわれ、繁華街のど真ん中にある雑居ビルへ。

外観はなんの変哲もないビル。

ビル前兄ちゃん「お疲れさまです。」

K氏「おう。」

ビルの前にいる20代半ばに見える兄ちゃんがK氏に軽く挨拶する。

「知り合いの方ですか?」

K氏「まあそんなとこかな」


歯切れの悪い返事をした後、K氏は慣れた手つきで3階のボタンを押す。


エレベーター「ウィーーーン チンッ」


エレベーターが到着し降りると、そこには異様な光景。

目の前には頑丈で大きな扉があり、

それを睨むように2台の監視カメラ。



K氏が扉の横にあるインターフォンを押す

無音な空間に響き渡るインターフォンのチャイム。


チャイム「ピンポーン」



しばらくするとウィーンと扉の自動ロックが空き、中から黒いスーツを着た金髪の兄ちゃんが出てきた。

金髪「いらっしゃいませ。いつもありがとうございます。」

K氏「今日友達をつれてきたから紹介したいねんけど」

金髪「わかりました。では中へどうぞ」


そう言ってK氏は中に入り、僕も続けて中に入ろうとすると

金髪「お兄さんは少しここで待ってもらえますか?」

「えっ? (・Д・`)」

K氏「すぐに終わるから心配せんでええよ」


一体、何が始まり、そして何がすぐに終わるのか全く分からないままその場にいると

何やらお兄さんがインカムで中の人とやり取りしている。

その後、5分ほど


名前。


何をやっているか。


K氏との関係など細かく聞かれ僕は正直に答えた。


どうやら警察ではないか確認をしているらしい。

後で聞いた話だが、こういう違法カジノは紹介制の為、紹介なしでは中に入れないようだ。


やり取りもやっと終わり、扉の中に案内されるとまたすぐに頑丈な扉が、、、、


いったいどんな場所なんだ、、、、

いよいよ不安になる。(´・ω・`)。。。



もう一つの扉も空き、中に入ると目の前には映画でしか見た事もないような景色が広がっていた。

実際に僕は映画でも確認した事はありませんが。笑


縦長のフロアにはカジノにおいてあるテーブルが縦に5つ。

壁際にはキラキラ光りながら音を立ててあたりを知らせているスロット台が6台。

各テーブルには8人座れるようになっており、どのテーブルも人がびっしり座っている。


金髪に奥の方に案内されると、そこにはK氏が座っていた。

K氏の手元には白いチップが数十枚、いくつかペン回しのようにチップをくるくるまわしていた。


僕はその横に座り、すかさず声をかける。

「なんですか!ここは!」

周りに聞こえないようにK氏の耳元でささやくように怒鳴る。

K氏「ん?バカラやで」

「バカラってここどう見ても違法カジノじゃないですか!!!!」

K氏「うん。」


(´・_・`) 涼しい顔でなに言ってんだ、このおっさんは



あまりにも素っ気なくいわれて唖然としているとK氏が僕の目の前に札束をおく。


K氏「30万あるから好きに賭けて、負けたらしゃーないし、勝ったら勝った分だけあげるわ。リスクないしやってごらん。」

凸(゚Д゚#) おい、おっさん。そこじゃないだろ。
そもそもここにいる事、事態が最大のリスクだわっ!

と心の中で渾身のツッコミを入れ終わると同時に先ほどまであった目の前の札束が30枚の白いチップに変わっていた。



K氏「これ1枚1万円やから頑張って増やすんやで。」


そう言って、今座っているテーブルのバカラとか言うゲームの説明をK氏より簡単に受けた。


※バカラとは(Wikipediaより参照)

勝負はプレイヤーとバンカー、それぞれ配られたカードの点数の合計によって決められる。Aは1点、2から9は表示どおりの点数で、10、絵札はすべて0点として数える。繰り上がりは考慮せず、繰り上がった場合でも下一桁のみを評価する。9点が一番強く、それ以降8点、7点、と続き、0点が一番弱い点数となる。

バンカーが勝利するとベット額の等倍の金額からコミッションが差し引かれたものが配当となる。

プレイヤーが勝利するとベットした金額と同額、つまり賭けた金額の1倍が配当される。



ここで帰ろうと思えば帰れたが、実際は自分の好奇心に勝てなかった。

ここまで来たらやってみるしかないし知らないでついてきたんだからしょうがないなんて、自分にしょうもない言い訳をして少しだけやってみる事にした。

(何もしないからといわれ、何もされないならまぁいっかとラブホテルに行ってしまい結局抱かれてしまう女子の言い訳のそれに近い)


以下、あるある

——————————————————————————————

チャラ男「何もしないからさぁー!ねっ?いいじゃん!」

女性「本当に何もしない?」

チャラ男「当たり前だよ!俺、そういう軽い男じゃないし!」

女性「だったらいいよ!絶対何もしないからね!!」


※中略

女性「((あーあ。またやっちゃった。けど、チャラ男が何もしないって言ったから行っただけだしー、私は悪くない!))」


              ↑こんな感じ。

——————————————————————————————


はい。


そして、いよいよスタート。

思い思いベットしていきK氏は涼しげな顔して白いチップ5枚(5万円)バンカーにベット。

すかさず、僕も震える手を抑えながら白いチップ1枚(1万円)同じくバンカーにベット。

バカラにはいろいろなルールがあるが、ここではバンカー、プレイヤー共に1番ベット額が多い人がトランプをめくる事(しぼり)が出来るというルールがある。


※しぼりとは(Wikipediaより参照)

バカラでは、カードをめくる際、しぼりという独特の方法を使ってカードをめくる人がいる。しぼりとは、ただ単にカードをめくるのではなく、端の方から少しずつのぞきこんでゆく。

なぜこのような事をするのかというと、頭の中で最も望むカード(勝てるカード)を念じながらじわりじわりとカードをめくることにより、カードを絞る人間の挙動や表情に注目が集まり、現実論として結果が決まりきっているゲームでもエキサイティングなものに演出されるからである。カードを絞る権利(実際にゲームをしている仮想人物の代役)は、原則として最も高額な賭け金を積んだ者に与えられる(但し、権利を持つ者が、ゲンを担ぐために好調者に権利を譲る場合もある)好調である者に乗って賭けることが可能なため、むやみに賭け金を積み増すこととなり、バカラは最も単純にして高額なギャンブルとなりやすい。



テーブルにはそれぞれバンカー、プレイヤー2枚ずつトランプがおかれ1枚が表で数字が予め見えていて、もう一枚は裏側で見えないようになっている。

めくる順番はプレイヤーからでどこにでもいそうなサラリーマンが神妙な面持ちでしぼっている。


こういう、いかにもな違法カジノはあっち系の方やホスト、キャバ嬢などが多いイメージがあるかもしれないが、実際は普通のサラリーマンや学生、外国人のおばちゃん(主に韓国と中国)などどこにでもいそうな方もいっぱいいる。
もちろんあっち系のかたもいるし、

芸能人なんかもたまに見かけたりもした。


プレイヤーのフェイス(既に見えているカード)は3

ここでサラリーマンが6を出せばナチュラル9

5ならナチュラル8となる。

サラリーマンはトランプを横にしてゆっくりゆっくり、けれど明らかに力を振り絞り祈るようにめくっている。

サラリー「つけ、、つけ、、っしゃぁ!」

と小声で言いながらドヤ顔で出したのが5

どやっ!

5+3=8 ナチュラル8だ。

カードで言うと2番目に強い。

ここでK氏が2枚の合計で8を出せばドロー(引き分け)勝つには9しかないという、

僕の初バカラはしょっぱなから厳しい状況だった。

バンカーのフェイスはQ。

バカラでは10以上のカードはすべて0として数えるのでつまり0だ。

そして今、K氏の手元にあるカードが8ならドロー(引き分け)

9ならバンカーの勝ちとなる。


K氏がしぼり始める

K氏「よっしゃ。足はあるな。」

↓こんな感じ


K氏「おっ4サイドや!面白くなってきたで。」


↓こんな感じ。この場合は9か10のカードになります。



あからさまに先ほどまで自信に満ちあふれていたサラリーマンの顔がみるみる曇っていくのがわかる。


まじ?



K氏「ぬけろ、ぬけろ、しゃぁ。ぬけたでーーー!」


9か10の状況で一つ数字が少なく(抜けた)ので

K氏が出した数字は9つまりナチュラル9でK氏がかけたバンカーの勝ち

ディーラーが慣れた手つきで負けたプレイヤーのチップを回収し勝ったバンカーの横に同額のチップを積み上げる。

そのなめらかな手つきを覚える為に一体どれだけ練習したのか想像がつかない。

(実際に仲良くなったディーラーに聞いた所、最低でも数ヶ月以上練習して合格した場合のみ、実際にプレイ出来るらしい)

K氏のもとには白いチップ5枚追加、僕の手元には1枚追加された。

たった一回1分ほどのゲームで手元に1万円、K氏の元には5万円、、、



(・Д・ ;)!! なんなんだ。このゲームは。


一回でバカラの誘惑に嵌ってしまった僕はその後もたんたんと勝ち続けK氏が約30万円

僕は10万円、たった2時間ほどで勝ってしまった。


しかしこのお金は元はと言えばK氏のもの。

「このお金返します。」

神氏「ええよええよ。勝った分10万は好きにつかいーや、せっかく初戦を勝った事やしぱーっと使おか」

おぉ、ジーザスッ!

神とはあなたの事でしたか!!


神氏「ほな、いこか!」


そのまま、なじみの高級クラブに連れて行ってくれてシャンパンを開け、

先ほどの30万が1時間ほどで消える。

20そこそこの俺には刺激が強すぎてもう心臓バクバクだった。

けれど、確実にこのバカラというゲームに嵌っている自分がそこにいた。





第3章
韓国

ある日K氏にいわれた。

K氏「韓国にもカジノあんねんけど行かへん?」

「韓国にもあるんですか?けどわざわざ行く理由あります?」

K氏「ええから、ええから、とりあえずついておいでー。」


(▼Д▼#) だから!あんたはよくても俺はよくないんじゃー!

と心の中で突っ込んでいた矢先、K氏がどこかに電話をし始めた。

K氏「あっ、もしもし?」


電話越しから片言の日本語の声が聞こえる。

K氏「お疲れ。あんな、来週あたり韓国行くから手配頼むわー、よろしく。」


と言って、そそくさと電話を切る。

「どこに電話してたんですか?」

K氏「ん?販促。」






ピーーーー!

「反則?」

K氏「販売促進の担当の事や。俺みたいによく行く奴のチケットの手配や大きく負けたときは飲み代なんかも払ってくれるんやで。」

「なるほど、、、そんな職業もあるんですね。」

その時、すごく感心したのを覚えている。



そして韓国当日。


二人で空港に行くと出発ロビーに黒いスーツを着た販促らしき人物がいた。


販促「いつもありがとうございます。」


販促が片言の日本語で挨拶をする。

K氏「おう。紹介するわ。こいつもこれからちょくちょく行く事になると思うからよろしく。」


?(°Д°≡°Д°)? えっ?ちょくちょく行くの?俺?


「は、初めまして、○○です。」

販促「初めまして、私は△△と申します。よろしくお願いします。ではこれをどうぞ。」

といってK氏にチケットを渡した。

場所はもちろん韓国だがびっくりしたのは座席がビジネスクラスという事だ。

「ビジネスクラスじゃないですかっ!!?」

K氏「そやで。けどタダやからなんも気にせんくていいで。」

「ビジネスクラスがタダ?どういう事です??」


正直、意味がわからなかった。

K氏「よく行くようになるとこうやって担当がつくねん。担当はチケットの手配やら現地の遊ぶ場所の手配やら雑務を全部やってくれる。さっきもいったけど大きく負けたときは飲み代だって出してくれる。」

「チケット代を出したり、そんなことしてカジノ側に何のメリットがあるんですか?」

K氏「そりゃ決まってるやろ。長くやればやるほどギャンブルは理論上、ハウス(カジノ側)が勝つようになってるんや。じゃないとカジノの運営費用やスタッフの人件費もろもろ、誰が払ってくれる?全部負けた人間のお金で成り立ってるんや。お前は今たまたま勝ってるだけ。」

「K氏はトータルだと負けてるんですか?」

K氏「そりゃもちろん!笑。ごっつい額まけてんでー!」


そうやって大げさに笑った。

もちろんて、、、、、


そして急に

K氏の顔がいつになくまじめになる。

K氏「だからなぁ、これだけはよく覚えとくんやで。」

「何です?」

K氏「自分を見失ったらあかん。」


この時、何か見透かされた気がした。


「わ、わかってますよーー!」


そう言ってすぐさま乾いた笑顔で返す。


しかし僕の心の中の心境はこうだ。

僕は勝てる。
そして実際に数ヶ月こうして勝ち続けている。
負けない。
負ける気がしない。
僕は他の負けるような奴とは違う。



僕が気づかないうちに僕の中ですでになにかが壊れ始めていた。





第4章
108万円


その後も1ヶ月に一回、韓国やマカオに行きながら日本のハウス(違法カジノ)にも通っていた。

その頃は毎日入り浸っていて、K氏がいなくても一人で行くようになっていて

しかも勝ったお金でハウスの近くのタワーマンションに引っ越すまでになっていた。


さすがに毎日行くと、同じように毎日いる方々やディーラーと仲良くなり簡単な挨拶なんかもする。

いつもいるのに一向にプレイをしない韓国のおばさん達がいるのである日聞いてみた。

「おばちゃん。プレイしないのに何で毎日いるの?笑」

おば「私は金貸しやで。ここやと一瞬で100万200万負けるやろ?せやけど、お金を下しいくと面倒やし大金の場合下ろされへん場合もあるやんか。そう言う時に私が貸してあげんねん。」

「へ〜〜〜」


そういった事かとひどく関心した。

おば「にいちゃんもいつも来てるし何かあったらいっといで。」


そういって手持ちバックにたっぷり入った札束の山を見せてきた。

「は、はい。」


こんな所でお金借りたらいくらで返さなきゃいけないんだよ!

怖くなりそそくさとおばちゃんから離れる。


自分のテーブルにもどり勝負再開。

再開の前におばちゃんが座っていた席の隣にある

スロット台に5万円程、興味本位で入れた。



自動で回ってくれるのでその場にいなくてもよいのでバカラに集中出来る。

早く負けをとりもどさないと、、、

今日はこの時、既に30万くらい負けていて少し気分が悪い。


まぁ自分のせいなんですけど。


負けを取り返す為に一回のベットを5万10万と増やしていった。

しかし、今日は調子が悪い。

さらに負けが増え50万円ほどになった。


そのころ、先ほど賭けたスロット台の方が騒がしい。

あわててさっきのおばちゃんが僕を呼びにきた。

おば「あんた!これ当たるかもしれんでっ!!!」


僕が賭けたスロットはリールが9個ありすべてのリールがチェリーになればジャックポット。

このときのジャックポット金額は108万円。

おばちゃんがいうにはかなり当たりそうな感じらしい。

僕が見たときには既に6つチェリーが揃っていて後3回転で残りのリールにチェリーが出れば、大当たり。つまり108万円ゲットだ。





1回転目

一つチェリーが出て、残りは後2つ

周りからどよめきが聞こえる。

僕の心臓がいつになく鼓動しているのがわかる。


えっ?





2回転目

さらにもう一つチェリーがでて、残り1つ

より一層、周りからどよめきが


まじすか?







そして

ラスト3回転目

周りが静かに見守る中、聞こえるルーレットの音


スロット「ブゥーーーン。。。。」



残り一つのリールを固唾を飲んで見つめる。

当たればジャックポット、当たればジャックポット。

当たってくれ!

当たってくれ!

当たれ!!当たれ!!

108万!!

108万ーー!!

ひゃくはちまーーん!!



僕が賭けていた台からけたたましく音楽がなる。


何が起こったのか一瞬わからなかった。

でたのはチェリー。

ジャックポットだ。

つまり108万円の大当たり!


やったーーー!!



その喜びも束の間、さっきのおばちゃんが声をかけてくる。


おば「当たったー!すごいやんかー!ちょうだい、ちょうだいチップ!」


俺よりお金持ってんのに何言ってるんだこのおばさんは?

もちろん断る!!

「いや、今日結構負けちゃってて、、、」

おば「1枚だけ!1枚だけやから!」


そう言って引き下がらないおばちゃん。

しかも僕がさっきもらった108万円の札束から1枚抜こうとしてくる。


もうね、

すげー強引。



完敗。



「わかった!わかったから!!これだけね!」


そういって1万円を渋々渡した。

おば「アンガト♬」


|◎`Д´)ノシ アンガトじゃねーわ!


そういって嬉しそうにおばちゃんはいなくなった。


海外のおばちゃん(韓国)もパワフルな人がいるんだなーと妙に関心してしまい、落ち着いたところでやっとプレイ再開。



とおもいきや、、、


さっきの強奪おばちゃんの仲間数人がニヤニヤしながら近寄ってきた!

(☉∀☉) やばいっ!!!





おば友1「私にもチョウダイ!」


焦るな!焦るなよ!俺!


「もうあげちゃったから無理です!!」

僕の意思は固い

尚も続く見事な連携口撃!!



以下、ドラクエ風。

おば友2は「オネガイ!」を唱えた!



おば友2「オネガイ!」


無視。

僕には効いていないようだ。


おば友3「チョットダケー!」を唱えた!



おば友3「チョットダケー!」


加○茶じゃねーから!
てか、ちょっとってなんだよ!

って思いながら無視。



おば友4はこちらを見ている。



おば友4「•••••」



こっちみるなー!



おば友1の肩を揺する攻撃!



おば友1「ネーネーネー!(ブンッブンッブンッ)」


会心の一撃っ!!


僕は敗れた。



恐るべし。。。



結局1人1万円ずつ渡し、計5万円半ば強引に持ってかれました。


別れ際におば友4に

おば友4「当たったら返すからネー!」


|◎`Д´)ノシ 

あんたがプレイしたとこ見た事ないわーー!!!


この後、スロットで108万勝ったにも関わらず、バカラで200万負けましたとさ。

お後がよろしいようで。

ちゃんちゃん。




第5章
転落


先日の大負けから最近負け越してばかりだ。

何か調子が悪いなぁくらいにしか思っていなかったが、この時期になると

もう末期状態で1日100万勝つか負けるかみたいな感じになっていた。

お金を使い込んでしまって、貯金もろくにない状態でこの張り方はもはや狂気の沙汰でしかなく、自ら破滅の道を全力で突き進んでいた。

この頃はK氏ともあまり一緒に行く事は少なくなっていて、この日は久々に一緒に行くことになった。


僕は今日も当たり前のように白いチップ10枚をバンカーに置く。

K氏「あれ?ちょっとベット金額おおきくないかー?」

「最近はいつもこんな感じですよ。」

K氏「そうかぁ。ずいぶん変わってしもたなー。」

「ん?そうですか?いつもこんなんですよー。」

K氏「いや、変わってしまったわ。」


そう言って一瞬悲しい顔をしたような気がした。


そんな事はおかまいなしにと僕は変わらず張り続けた。

どんどんどんどん負け続けその日は結局持ち合わせた100万円すべて負けてしまった。

イライラが収まらない僕はテーブルを思いっきり叩き、悪態をつきながらK氏の呼び止めも無視して出て行った。

何度か電話もあったが一切出ずにその日は部屋に閉じこもった。


次の日も夕方に起きて、ジャージのままコンビニに向かい今日の軍資金をおろす。

そしてふと残高を見て愕然とした。



13万8000円

これが僕の全財産だった。

少ない、あまりにも少なすぎる。


しかし、こんな状況でもそのお金を握りしめて行ってしまうのだからギャンブルは怖い。

いや、本当に怖い。




その結果、



2分でなくなりました。笑


実際は笑いたいけど全然笑えない状況。


どうしよう。

今月の携帯代

今月の家賃

今月のカードの支払い


急に現実に戻され、不安で頭が真っ白になる。

(おそいわ!)




1日真剣に今後のやりくりを考えた結果がこうだ。


はぁじめてのっ♬ ア○ム!

(全然真剣に考えてない。)



思い立ったが吉日とばかりに、1階から5階まで消費者金融の会社が入ってるビルへ。



当時は今ほど審査が厳しくなく、そのまま5階から1階まで3時間ほどですべての店舗を周り終え、

晴れて数百万の借金が出来ました。


今思うとぞっとするのですが、本当にこのときは簡単に返せると信じきっていて事の重大さに全く気づいていなかった。

(依存症はほんとにこわいです。)


後日、家賃などの支払いを終え、残った100万あまりが僕に残されたお金だ。

まぁ借金なんですが


これだけあればなんとかなる。

そして、いつもの場所へ。


まず、手元にある30万円をチップに変える。



よしっ!これから僕は復活するんだ!

そういって勢いよく10枚のチップをバンカーに賭ける。

ギャンブルした事ある人なら分かるかもしれないが、

たまに見えない力か何かが働いているんじゃないかってくらい、ついていたり逆についてなかったりする。

今日は後者だった。


10万円をプレイヤーにかけたらバンカーがナチュラル9 負け。

次に10万円をバンカーに賭けたらプレイヤーがナチュラル9 負け。

そしてだめ押しでプレイヤーに賭け、ナチュラル8やっと勝てると思った矢先、バンカーナチュラル9 負け。



もうね。震えました。体が。



イライラしすぎて自分を見失った僕は

本当はもうずいぶん前から見失っているんですが。笑

残りの70万をすべてチップに変え、気づいたら座っていたテーブル、一回のベットの限度額20万円(チップ20枚)を賭けていた。

しかし、男ならやるしかないとここで入れる意味がない気合いを入れ直し

配られたトランプをめくる。


もうね。アドレナリンていうんですか?

心臓が痛いくらいにバクバクいって、めくるときに腕がビリビリするんですよね。

多分、ストレスやら興奮やら不安やら入り交じって、お体がお祭り状態でした。


わっしょい!わっしょい!

それ以来、後にも先にもあの状態になった事がありません。



カイジって言う漫画ご存知ですか?

分からなかったら調べてください。笑

あの描写のまんまです。

心境も。


ざわ、、、ざわざわ

勝つべくして勝つっ!!!


(プレイヤー7バンカー6)

僕バンカー。

負け。


ざわざわ、、、

負け。また負け。



ざわざわ、、、、

また負け。そして負け。

アンド負け。


ざわざわ、、、
手元のチップがすべてなくなるっ!!





俺氏

敗北っ!
圧倒的敗北っ!!!!!



もう、こんな感じ。


その後の記憶はあまり覚えていない。


一人で幽霊みたいに何時間も当てもなく彷徨っていた。

現実に戻るのが怖くて考える事を辞めた。





第6章
覚悟


もう、数時間歩き続けただろうか。

既に太陽が出ていた。


そして遠くから微かに歌が聞こえる。


♬あなたに〜 会えて〜 よかった〜

 あなたには希望の〜 匂いがする〜

 つまずいて〜 傷ついて〜 泣き叫んでも〜

 さわやかな希望の〜 匂いがする〜


気づいたらいつもの公園にいた。

ここから見える景色はいつもと全く違う。


もう歩けない。

目の前がぐにゃぐにゃに見えて足下がおぼつかない。

朝の6時、近くのお年寄りたちが優雅に太極拳を踊っている。

忘れもしない、曲名は和田アキ子さんの

「あの鐘をならすのはあなた」

なんて今の自分に染み渡る曲なんだろう、、、、

この半年の出来事が走馬灯のように蘇る。

膝に力が入らず、泣きながらその場に倒れ込む。


やっと気づけた。


本当にやっと。

そうだ、僕はここから離れきゃいけない。


その後、丸一日真剣に真剣に考えた。

今後どうするべきかと・・・

しかしこれに関しては僕の中で既に答えは決まっていた。


必ず返済する。。。


ここまで派手にやってさらに逃げてしまったら、今までの自分に戻れなくなってしまうと思っていたから。


とりあえず出来る事すべてやってみよう!という事で

まず、慣れ親しんだこの地から離れる事にした。

単純にここにいると誘惑に勝てないと思ったから。笑


寂しい気持ちもあったが、完全におしりに火がついたこの状態ではそんな悠長な事は言ってられず、

K氏に事情を説明する。

K氏「そうかぁ、お前も行ってしまうんかぁ。」

「ん???も。ってなんですか?」

K氏「実はなぁ、前も可愛がってた子が同じような感じで実家帰ってしまったんよ。」

「ん。。。?2人目?」

悪魔「うん。。」


悪魔かっ!笑


(▼皿▼#) うんじゃあねーよ!おっさん!学習しろよ!ものの見事に2人目出来上がりじゃねーか!!


「けど、K氏には本当に感謝してます。こんなに濃い半年間今までの人生なかったですから。」

このときは自分でもびっくりしたが

人間やるしかない状況に追い込まれると迷いや不安などなくなってむしろすがすがしささえあるんだなと。


K氏にいくらか貸そうかと言われたが受け取らなかった。

ここまできたらこの状態でどこまでいけるか自分を試してみたかったから。


この時やっと自分と少し向き合えた気がした。




第7章
上京


そうと決めたら早いもので、仕事やら家やら清算しキャリーバック一つと所持金数万円のみで一ヶ月後には東京にでていた。

不安がなかったといえば嘘になるが、不安を抱ける状況でもなく、

とにかくやるしかなかった。

仕事は不動産の営業に決めた。

理由は寮付きだったのと歩合給がはいるからだ。

それと同時にバーでも働いた。



朝の8時に起床し朝9時から夜の9時までデスクにかじり付いて電話営業。

終わり次第、10時より朝の4時までバーで働いた。

食費も1日300円から500円でやりすごし、水はもちろん水道水。

電車賃ももったいないので時間があるときは一駅歩いたりもした。

家財道具一式すべて処分してしまったので、寮のカーテンはゴミ袋(黒)

ベットは近くのコンビニからもらった段ボールだった。

段ボールは意外に暖かいのでおすすめ。笑


そんな生活をしばらくして、借金の目処もたった頃、さらに早く返済するにはどうすればいいかを考えていた。


いろいろな本や人に会いにいったり、セミナーにも行った。

もう怖いものがなくなった僕は

事業内容も何も考えずに会社を作った。笑



独立をしてから数年、当初はいろいろな専門書を読み漁ったり、一人で事務所に寝泊まりしたり、売り上げが振り込まれなかったりそれはもう散々だった。



しかし、今では

大切な仲間も出来、ある程度の収入も確立し、自由に時間を使えるようになり、人生観も180度変わった。


どれもこれも

元公務員K氏に教わった違法カジノで自分の人生がたった180日で劇的に劣化し、その後転落したからこそ得られた経験だ。

人生、本当にどこで転機がやってくるかわからない。

しかも何がきっかけになるかもわからない。

僕はこのバカラに会わなければ

お金の大切さ、働く事の厳しさや楽しさ、自分に関わってくれている人への感謝、そして今自分がいる東京にも出てきていないだろう。


しかし、自分のやった事はもちろん違法行為だし正当化するつもりも全くない。


けど、

反省はしているが後悔は全くしていない。

語弊があるかもしれないがむしろ感謝している。



これからは小さなテーブルでチップを賭けるのではなく、大きなこの世界で自分に何が出来るのか?

そして、一度きりの人生をよりよくする事に賭けていきたい。


あなたももし、何かに迷っている事があるのなら是非チャレンジしてみてください。

こんなクズな自分でもここまで変われましたから。笑


元公務員K氏に教わった違法カジノで自分の人生がたった180日で

劇的に劣化し、その後転落したからこそ得られた、地に足がついた自分になれた話でした。





最後になりますが

読んで頂いたあなたに

今以上に素敵な人生が訪れる事を祈りまして

終わりの言葉とさせて頂きます。

それでは

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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※ 追記になりますがこの内容には違法な内容がてんこもりです。

あくまでフィクションという事でおさめて頂ければ幸いです笑


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反応によっては次回作も検討しますのでよろしくお願いします笑



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