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親父が嫌い過ぎて、手紙を一枚置いて家出した話

Image by Olia Gozha

2013年6月17日。

僕はリビングの机の上に手紙を一枚置いて家出した。

僕は父が大嫌いだった。理不尽で暴力的。何一つ好きになれるところはなかったし、父との楽しい思い出なんてほとんどない。なんでこんなクソ親父の子供に生まれたんだろう、と何度思ったことだろう。唯一、父の子供でよかったと思ったことは、子供に嫌われる親はどのように子供に接しているのか、ということを身をもって教えて頂いたことぐらいかな。

小学校4年生。

僕には休日がなかった。土日に友達に遊びに行こうものなら、「そんなことしてる暇があるなら家で勉強しろ!」と親父に怒鳴られる。小学生だった僕にとって親は絶対的な存在なわけで、親に反抗出来るわけもなく、休日は家で勉強する振りをしながら特に何もせずに過ごしていた。そのくせ、親父の仕事が休みの日は必ず家族でお出掛け。もちろん僕も一緒だし、出掛けないで家にいるのは許されない。「おいおい勉強はどこにいったんだよ?俺はお前と遊んでる暇があったら友達と遊びたいんだよ。」と思う日々。


中学に上がっても、言われることは相変わらず勉強、勉強。毎日20時になるとリビングを追い出され、自分の部屋で強制的に勉強をさせられる。ちょいちょい部屋のドアを開けて、ちゃんと勉強してるかを確認してくるのはウザいこと限りなし。

子供に子作りをしなさいっていってくるババアでもそんなに確認しにこないよってくらいちょいちょいくる。

高校生にもなるとさすがに露骨に勉強、勉強とは言われなくなったけど、親父が休みの日に、僕が家族と出掛けず友達と遊びに行くことは凄い嫌な顔をしてくるようになった。親父に、「明日友達とカラオケ行ってくるから。」と言ったときに、親父が真顔で「…なんで?」と返してきたのは最高にロックだった。

いつから哲学者になったの?ってくらい根源的なところに対して疑問を持たれても。

いや意味わかんねーよ、その返しがなんでだよ、と。


大学生にもなると、そんな親元で暮らしていくのはもう耐えられなくなってた。一人暮らしをしたい!と親父に言ってみたけれど、大学は家から自転車で30分のところにあって、一人暮らしをさせてもらえるわけもなく。それなら生活費も学費も全部自分で稼いで払うから一人暮らしさせてくれ。と言ってみると、それならいいけどそんなこと出来るわけねーだろ、と。

そこで給料のいいバイトを探して塾の講師のバイトを始めたんだけど、びっくりするくらいに給料が良かったんですよ。で、あれ?これは余裕で自力で一人暮らし出来るなって。そこで親父に親父に一人暮らししますと報告すると、そんな無駄なことに金使うんなら家に食費でも入れろ、と怒鳴られる始末。


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