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田舎に引っ越して療養した話。(2回目)

Image by Olia Gozha

一回目の田舎暮らしで、少しだけ体調がマシになったので、再び街に戻ることにした。


就職先は激務。最初はアルバイトで様子を見る予定だったが、気がつけば結局フルで週5日みっちり働くことに。


その後、やはり一ヶ月で体力が尽き、薬でごまかしながら半年粘ったが脱落。この後のどん底状態は本当に酷いものだった。何度自殺を考えたか、というより、頭から出ていかない瞬間がほとんど無かった。


海の近くのボロアパート。当然知り合いはゼロ。お金の余裕も当然なかったので、近くのスーパーなどで夕方お弁当を買いに行く毎日。このときは、都内の心療内科に通っていたが、そこの医師は物凄く沢山の薬を処方する方だった。本当に多すぎた。歩くのが辛くなるほどのフラフラ感。他にも色々な副作用がありましたが、一番まずかったのは、躁転したこと。これがこの後数年にも渡って続くことになる、自分にとっても本当に大きな大きな痛手となった。


薬がめちゃくちゃな処方をされていた一方で、

住んでいた所はすごく良い環境だった。静かで、アパート近くのパン屋で好きなパンを買って、公園で食べるのがささやかな幸せだった。(ただ、この頃の自分の心身の状態が本当に最悪で、綺麗だと感じることはなかったけど。残念)


この町での生活はこんな感じ。

朝9時頃起床

朝10時頃 朝食

朝11時 ちょっとだけ散歩

昼2時頃 早くも疲れて昼寝

夕方5時頃 夕食の買い出し

夜7時頃 夕食

夜9時頃 テレビ見るも笑えない

夜1時頃 就寝


なんと生産性の無い生活。当時の写真があったので見てみたが、写真に写っている自分の顔、特に目が怖い(苦笑)。あれも、大量の薬のせいなのだろうか。覇気がないというかなんというか、近寄るとマイナスな感じが伝わってきそうな…


そんな顔つきであったにも関わらず、少しだけ知り合いが出来た。そこには2年ほどいたんだけど、1年経ったくらいで薬を変更し、量も少し減らすことにした。すると少し調子が良くなって、軽く運動することが出来るようになった。

海辺にはバスケットコートがあり、そこでたまに運動するようになった。その中で、少しずつ知り合いが増えてきてとあるチームに誘われて練習に参加することになった。高校生までバスケをやってたので、そこらの人には負けはしなかったが、廃人後だったこともあり自信はなかった。何より体力が…


まあ、でも一回行ってみるか、という感じで参加したが、新しい環境ということもあり、デパス(安定剤)を飲んでからバスケ開始(苦笑)。同じチームに入った一人が物凄く相性が良くて、2人で結構点を取れて、非常に気持ちが良かった、ディフェンスは全く反応出来ず、散々だったけど。その後、何度か練習に参加はしたが、体調が安定しないのでたまに参加するといったところ。でも、あれだけ一生懸命バスケしたのは、あの体育館が最後だな。


久しぶりにバスケをして良かったのは、攻める時、守る時に、自分の本能が感じられたこと。「絶対決めてやる」とか、「絶対止めてやる」という闘争本能が廃人経験後に感じられたのは大きかった、まだ自分にはこんな負けん気があったのか、と再確認出来たから。



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