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中学生から隣の県、父の実家へ引越し。
祖父母との同居が始まった。
うちの家計はちょっと変わっていて、みんな訳ありだった。
祖父母は樺太からの引き上げ者で、財産の全てをロシア政府に没収され、風呂敷一つで本土へきた経緯がある。
男性上位で祖父は祖母に厳しく、家族の前でも馬鹿者扱いをしていた。
祖母は学校に十分に行けていなかったらしく学はなかったが、良く笑い、優しく、頑張り性でよく働き、良くドラマで涙を流すピュアなヒトだった。
実家には他に二人の従兄弟が居た。
小学生と中学生、二人とも父親が違かった。
母親も家もあるのだけど、まあ、訳ありで殆ど実家に住み着いている状態。
小学生のチサは無制限にお菓子を与えられて太り気味、潔癖症のような症状がある子だった。
中学生のミチは私の二つ年上で、バンドのボーカルをやったり、夜中に窓から出て彼氏に会いに行くような活発でロックな子だった。
親戚を含め、大人達はみな趣味がパチンコだった。
休みの日はパチンコ屋に行けば必ず誰かは居て、用事があると良く呼び出してもらったもんだ。
とにかくしゃべる人ばかり。私が黙って居ても必ず誰かが喋り続けている。
二つ年上のいとこ、ミチと特に仲が良く、お姉さんが出来た気分だった。
父は一時間離れた新しい事務所へ希望転勤した。
好かない上司に腹を立てては居たものの、まずまずの給料ももらえていたし、それなりに上手くやっていた。
問題のパニック障害はやはりしばらくは悩まされ薬を常用していたが、
実家に居る安心から少しずつ穏やかになり、薬も飲んだり飲まなかったり、調整できるようになっていった。
愛車を買い、ドライブという新しい趣味ができたのだ。
父は電車に乗るのが
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