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14/5/16

高校中退したら無茶苦茶になった話 3

Image by Olia Gozha


冬休みが終わり、1月ー


僕は担任から進級できないかもしれない

と言われていた。

遊びほうけて単位が足りない。

ただギリギリのラインだった。


通っていたのは商業高校で、

簿記の授業があった。

僕は補修にずーっと出なかった。


アホです.....はい.....


すると簿記の先生、小林が

簿記の授業に出るなと僕に言った。

僕は本当に出なかった。


トイレで外を眺めながら

タバコをふかしていた。


1月中頃簿記2級の試験があった。

家で勉強して、僕もその試験を受けた。


試験翌日ー


簿記の授業があった。

僕はと言えばその時間はトイレ。

授業が終わるチャイムが鳴った。


クラクメイトが話しかけてくる。


『試験うちのクラス全員受かったらしいよ。このクラスの生徒は全員合格ですって言ってたから』


えっ!!マジで!!

僕は嬉しかった....が、一抹の不安がよぎる。


その全員に僕は含まれているのか?


すぐさま小林先生の元へ走る。


『僕の合否教えてください』


小林先生『落ちたよお前』


真顔で返答された。


僕はすぐ真顔で小林先生の

顔面を殴った。


小林先生は唖然としていた。


じゃあ全員って言うなよ。

と思いながら職員室に向かっていた。


すぐさま担任のデスクへ。


『退学届けください』


担任の唖然としていた。

考え直せとか何か言ってた気がする。

でももう辞めることしか頭になかった。


もうこの時の僕は凄く幼稚だった。

補修に出なかった自分が悪い。

原因を作ったのは自分。

授業に出るなというのは小林先生なりの

厳しさと言う名の愛情だったのかも

しれない。


それを全員ということだけにこだわり、

高校生活が終わった。


本当にバカだった。


その帰り、友紀に電話してみた。


『俺さあ、高校やめたよ』


友紀『え?仲間じゃん!』


『そ、そうだな....』


友紀『私も報告がある』


『何だよ』


友紀『美咲と2人でアパートに住んでる』


『え?そうなの?大丈夫なのか?』


友紀『うん大丈夫!食べ物も送ってもらってるし』


『そっか。色々気をつけろよ?またな』


この時僕は何も疑問に思わなかった。


仕事もしてない17歳2人でアパートを借りれるのか?


何でアパートに住む必要があったんだ?


家賃、水道光熱費どうしてるんだ?


世間知らずな少年はこんな疑問を

抱かなかった。


ただ2人で暮らしたかったんだろう。

金銭的なことは親に

助けてもらってるんだろう。


そんなわけないのに....



退学してから母と口喧嘩したことがある。

その口喧嘩の言葉のあやで、

母が僕に、


『死ねっ!!』


と言った。


高校退学したばっりだったし、母も

ストレスが溜まっていたんだと思う。


ただ当時の僕にはそんなことを思う

余裕はなかった。


母はどこかへ出かけた。

僕はこの家を出て行こうと決めていた。


通帳など管理している引き出しを開けた。

僕のために貯金してくれていた

僕名義の通帳。


30万入っていた


それを見たとき、感謝の気持ちなどは

なかった。

この金でどうにかするとしか思わなかった。


ボストンバッグに衣類や必要なものを

詰め込んだ。


『あーそうですか。死ねですか。今までお世話になりました。』


そう置き手紙を残し、僕は家を去った。


すぐにその足で銀行へ向かう。

30万引き出し、僕は外のベンチで

タバコに火をつけた。


これからどうするかな...


友紀にメールしてみた。


『俺、家出した。』


友紀『うちにおいでよ!』


友紀は住所を教えてくれた。

僕はすぐタクシーを拾った。

その住所へ向かう。


そのアパートへ向かってるタクシーの中、

僕はどこか吹っ切れていた。


死ねってことは俺は必要ないんだろう。

最初っから生むなよババア。

無責任だな。

望み通り消えてやるよ。


寂しいという気持ちはなかった。

もしかしたら『死ね』と親に言われた

ショックで寂しさを感じなかった

だけなのかもしれない。


『着きましたよ』


タクシーの運転手にお金を支払い、

重い荷物両手にインターホンを鳴らした。


友紀『いらっしゃーい』

美咲『退学と家出おめでと!』


元気良く迎えてくれた。


友紀『荷物ここに片付けよっか』


友紀は一緒に手伝ってくれた。


するとインターホンが鳴る。


誰だろうと思い、

テレビドアホンを見てみる。


そこに映っていたのは、

ヤクザっぽい男だった。




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