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ナナコロビヤオキ second

Image by Olia Gozha

競馬界編:前半(茨城) Uの一言で、人生を面白くしてやろうと考えた僕はその日から積極的に女性に対して話しかけるようにした。当時コミュニケーション力は皆無に等しかったので、初めの方はとことん凹まされる経験もしたが、Uにアドバイスをもらったり、自分なりにフィードバックして考えたり自分に置き換えて自分が女性ならあの言葉を掛けられたらどう思うのか?などなど、真剣に考える日々だった。あの時ほど女性に対して真剣に考えたことは無いってくらい考えた。お陰で2年位もすると、そこそこ女性とは上手くコミュニケーションを取れるようになっていた。

そうなると仕事もプレイベートも充実してくる。仕事についてもそこそこ上手く調教出来るようになってきており、JRAの重賞やG1レースを勝つような競走馬にも乗れることが増えてきた。ここで、今でも出てくる僕の悪い癖が首をもたげてきた。仕事がつまらなく思えてきたのだ。所属している職場で上の立場になると上を目指せなくなる。(実際はそんなことないのだが。)でも、上を目指せないと仕事をしている意味が無いという考えになり、周りの仕事仲間に対しての接し方がだんだんと雑になってきたのだ。雑になると不協和音も聞こえてくるようになり、ある日僕は仲が良くなかった職場のメンバーと取っ組み合いの喧嘩をしてしまったのだ。小心者の僕は、気分の波が激しい。まるでチワワだ。この時僕から殴りかかってしまった。喧嘩は対して強くはないけどこの時は上手く何発かHitして相手が地面に転がったので、しめたと思い事務所へ走り、置いてあるバットを持ちだしたところを牧場長に見つかり止められた。

その後、何ヶ月かその牧場に居たけれど結局はクビになった。一応自主退職扱いだが事実はクビだ。その後も近くの牧場を2つほど転々とするも、すぐにクビになった。その結果、茨城はもういいと考えた僕はなぜかいきなり東京を目指すことにしたのだ。

なぜいきなり東京を目指そうと思ったのか。今でも考えてみても自分でもよくわからない。馬鹿な考えだと思うけどその時思っていたのは「東京に出て、東京の女と遊びたい」だった。文字にすると馬鹿すぎて笑える。その時もう年齢は23歳、あと半年で24歳になろうとしていた頃だ。あえて肯定的に考えるのならば、女性とのコミュニケーションバトル(ヤるか、金だけ散財するか)では、まだまだ上を目指せる(目指したい)と思っていたからなのかもしれない。

競馬界編:後半(東京) 無事、東京の池袋にある従兄弟が住む部屋に転がり込んだ僕は(この事態は後々従兄弟の親にバレて実家のほうで親戚同士一悶着あったらしい)、居酒屋のバイトを始める。期間にして2ヶ月程度。この期間の間に仕事をしていない時は、何をするでもなく部屋でゴロゴロして半ニートみたいな感じだった。

居酒屋でのバイト生活も2ヶ月目を迎えようとする頃、たまたまTVを観ていたら、以前に働いていた競走馬の育成牧場が何かの番組で紹介されていた。昔の同僚の姿を見ていると、不思議と「もう一回競馬関係で働こうかな。」と自然と思えてきて、そんなことを思っていたら何故か、人づてで僕の紹介を受けたという方から「大井競馬場の✕✕厩舎の面接受けないか?」と携帯に連絡が入った。ちょっと驚いたが、特に深く考えず素直に紹介を受けた厩舎へ面接に行き、その場で厩務員として働くことが決定した。

競馬場ということもあり、周りは騎乗が上手い人達ばかりなので、しばらくは面白く仕事をさせてもらっていた。ただ、近くに同年代がいなかったということもあって、寂しかったのでまだ茨城の牧場にいたUを唆して大井競馬場で働かない?と誘ったりもした。Uもちょうど茨城に飽きていたのか、気軽に承諾してコネを使って働き始め(Uが働いていた牧場オーナーは馬主もしており、大井競馬場にコネがあった。)、また一緒に遊ぶように。そして、この頃から僕はクラブで遊び始めるようになっていた。

クラブは当時第3次パラパラブームが終了し、トランスが流行り始めていた頃。パラパラなんかは見よう見まねで踊っていたのでよくわからず、身体をとりあえず揺らしておけばなんとなく格好がつくトランスが流行り始めていたのは僕にとって好都合だった。なんといってもクラブに行く理由はナンパだから。別に踊りに行くわけじゃない。それにクラブ=最先端の遊びというイメージがあるのも大きかった。men's eggも流行っていたし、渋谷、六本木のクラブは熱かった。FURAはもう無かったけど、渋谷はATOMや9LOVE J、六本木はベルファーレやガスパなどナンパ箱はたくさんあった。

社会人時代:営業編

社会人時代:パーソナル・トレーナー編

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Image by Jukka Aalho

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