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大雪の中、とあるスタートアップの社長に会いに行ったらCTOをやることになった話

Image by Olia Gozha


始まりは一通のFacebookメッセージだった



その日、僕はいつも通り会社のデスクで開発の仕事をしていた。

ブーとIPhoneが鳴り、通知を確認すると知らない人からのFBメッセージだった。


社長「突然のメール失礼いたします。株式会社〇〇代表の〇〇と申します。現在新サービスを開発していて、共にビジョンを追いかけてくれるCTOを探しています。ほんの少しでも、私や会社やビジョンにご興味をお持ち頂けたのであれば、ご挨拶や意見交換も含めて一度お会いしお話をさせて頂けませんでしょうか?」


実際のメッセージにはビジョンや事業の内容が詳しく書いてあった。当時wantedlyというサイトではユーザーを検索する機能があったみたいで、そこから僕のFBページにたどり着いたみたいだった。

「そんなCTOなんてまたまた…」と思い僕はFBのメッセージ画面を閉じ、仕事に戻った。


いつものように深夜に仕事を終え、帰宅した。

寝る直前メッセージのことを思い出し、再びFBを開いた。

共通の知人も何人もいるし、どうも怪しい話ではなさそうだ…

新卒で当時の会社に入社して2年目。ちょうど仕事もいい調子で、転職する気は全く無かったが、

興味本意で会ってみようと思い、メッセージに返信した。

「初めまして!メッセージありがとうございました。是非一度お会いできたらと思います!」



約束の日の当日


当日は東京にしてはかなり珍しく、結構な量の雪が降っていた。

雪国である富山出身の僕からしたら、そんなのは慣れっこだったが、

東京のみなさんにとってはそうもいかず、他に入っていた2件の約束は

午前中の時点でキャンセルとなった。


本日は雪ですが、足元は大丈夫でしょうか?

こんな天気の中申し訳ないですが、お気をつけていらしゃってください。






相手はどんな人なんだろうと想像を膨らませながら渋谷に到着し、


いつもとは違う、雪景色を横目に、待ち合わせ場所のカフェに着いた。



お互いに自己紹介をした後、

会社で任されているプロジェクトの内容や、友人と一緒に開発しているwebサービスのこと

について話した。


僕のことについて一通り話した後は、相手のビジョンや、今開発中のサービスのことを聞いた。

その社長が思い描いている5年後、10年後はとても壮大なもので、僕はその話を聞いてとてもワクワクさせられた。

話を聞いていて、とても頭のキレる人だというのが印象深かった。

時間にして一時間くらいであったが、あっという間で楽しい時間だった。


1時間程話した後は渋谷からまっすぐ帰宅し、家に到着したくらいのタイミングで社長からメッセージが来た。


社長「本日は雪の中本当にありがとうございました!また色々なお話をお聞かせて頂きありがとうございます!CTOのお話は、是非前向きにお考え頂ければと思います。一度お考え頂き、何か分からないこやディスカッションしたい事があればなんなりとおっしゃってください!」



話を聞く前の自分の気持ちは180度変わり、挑戦したい気持ちが芽生え始めていた。



迷いと決断




やりたい気持ちはあるもののやはり漠然とした不安もあった。

世間では「若者が3年以内にやめる」といったマイナスイメージの話も出ていたし、

新卒で会社に入って、二年で転職というのは世間一般から見ると早すぎるという意見が普通であろう。

そこで実際に職を変えるにあたって、懸念となることを書き出してみることにした

(当時IPhoneのメモ帳に書いていたもの)

書き出した問題を一つ一つ冷静に考えていったところ、

金銭的な面で最低限生きて行けるようであればやった方が良いという結論に至った。


そして初めて会った翌日僕は社長宛にメッセージを送った。


「自分の中でやりたい気持ちは固まってきてるのですが、最後にいくつか確認させていただきたいので、今週の夜どこかでお時間作っていただくことは出来ますか?」



ここから数日程連絡がなく、あ…もしかして断られたと思っていた笑

が、正式に一緒にやっていきたいという旨の連絡をいただいた。

週末に電話がかかってきていたのだが、僕の方が出る事が出来ず、メッセージが届いていた。

社長「正式に一緒にCTOとしてやっていければと思います!投資家は正直、技術面について少々不安がっています。しかし、僕は粟島さんと一緒に働きたい、創って行きたいと思ったので、押し切ってきました(笑)粟島さんのやる気と成長可能性に僕はかけたいと思います。これからパートナーとしてよろしくお願いします!」


後から聞いた話によると、僕の方が即決すぎてあちら側の受け入れ態勢が

整っておらず正式な返答をするまでに時間がかかっていたらしい。


最初に社長と渋谷のカフェで出会って話をした日からちょうど2週間後だった。

こうして、僕は新しい環境でやっていく、決断をした。


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Image by Jukka Aalho

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