あの大きな玉ねぎの下で。
そして、
遂にゲネ
(本番同様に行うリハ)
の当日を迎えるのだった。
そうそう、そいや
ライブ衣装!
みんな何だと思います?
さぞやカックイ~テカテカみたいなのと思う?
これが、うそ~んみたいな感じなのだが、
【私服】(笑)
むしろリハ着?
これはさすがにうちらも大丈夫か!?
と思ったが、
ヒッキーとのスタジオリハを見てパパさんが
【良いねぇ、このままでいこう!】
と。
イメージはアメリカンスクールの仲間達という事だった。
衣装チェンジも無くそれで通した。
さすが、宇多田ヒカルの親父だ!
視点が違う!
と思ったのだが・・・。
まぁ後程。
そして、ゲネももちろん武道館でやるのだが、
メンバーにも招待枠というのがあるので
自分は母親とおばあちゃんを呼んだ。
(このおばあちゃん、現93歳にしてマンション一人暮らしという超人w)
こういった普通に観られない仕事には
なるべく親を呼ぶ事にしている。
ダンサーの親孝行
としたらこれくらいしか出来ないと思っている。
迷惑も心配もかけたし、自由な選択を受け入れてくれた事の
少しでも恩返しだ。
メンバーも親を呼んでいたかな。
そして自分は
この時点で武道館は行くのも初で
目の前にある大きな玉ねぎを見た時は、
爆風スランプ思い出して
初めて〜きみぃとあ〜えるぅ〜♪
てなったよね。
(時代感じるね)
控え室はバンドメンバーと同じ。
通路にはケータリングも用意されていて、
速攻手を付けた記憶が(笑)
※ケータリングとは食事サービス
そいや、
リハからもだったが、生バンドと絡むのも初だったね。
生だとニュアンス、タイミングが変化してくるから
うちらもバンドメンバーもそこは確認し合ってた。
遥かにバンド陣の方がベテランさんのプロなんだけども。
そして、刻々とゲネ時間が迫ってくる。
ゲネ前に、もちろんリハもやる。
スタッフさんに呼ばれステージへ。
遂に武道館のステージへ立つ。
客じゃない、演者として。
ステージに初めて立った感想は、
【なるほど、バックダンサーはこんな気持ちになるのか・・・】
と意外にあっさり。
ステージは驚くほど広い印象はなかったが、
やはり走ったりすると広さを実感する。
客席も広い。
ここに人が埋まると思うと、
すげえなぁと思った。
そして、
ヒッキー、バンド共に流れで
バミ(立ち位置)や移動など確認し遂にゲネへ。
裏で待機。
衣装もしっかりチェック!
だが私服!(笑)
そしてゲネが始まった。
本番と同じ流れだ、気持ちも引き締まる。
でも、
実は内容をあまり覚えていない(笑)
最初からステージに上がっていたっけ・・・?
途中からだっけ・・・?
忘れた。
多分、
最初からダンサーは出ていた様な気はする。
しかし、
あくまでもこれはゲネ。
関係者と招待者だけなので
本番みたいな盛り上がりはない。
むしろ、
サラッとサクッと終わった感じ。
でも、本番のイメージは出来た。
特にミスも無かった。
ゲネ終了後には自分含め、各メンバーは親に会いに行き
挨拶をして、撤収。
後は
本番を残すのみ。
・・・
そして、本番当日。
入り時間に武道館に向かうのだが、
九段下駅からザワザワしているのが分かる。
早い時間だが
殆どが今日の客だろう。
そんな中、うちらも混じって歩く
まさか今日のヒッキーダンサーとは誰も思って無いだろう。
うっしっし。
入口付近も既に人でワッサワサ。
うちらは裏口から入る。
通路には既にケータリングもあり、
ゲネと同じ感じではあるのだが、
やはり本番ムードで、
スタッフやら周りがピリピリしているのが伝わる。
増して、外タレもいる訳だ。
そりゃなるわな。
セキュリティだろうか、ちょいちょい黒人を見かける。
そして相変わらず、速攻ケータリングに手を付けるのだが、
【食べ終わったらメイク室へヒッキーに会いに行こう!】
メンバーでそういう話になった。
もちろん、お互いの緊張をほぐすのもあったし、
隙あれば連絡先も・・・
と未だに(笑)
だってぇ、今日が最後かもしれないじゃぁあああん。
飯を食べ終え、早速メイク中のヒッキーへGO!
スタッフに中に入る許可をもらい
メイクをしながら雑談をしつつお互いを和ませる・・・。
初対面の時よりさすがに心を開いている感はある。
が、まだ開ききっていないし、
開く事が出来てない自分達にも歯がゆい。
もちろん連絡先なんて聞けない空気。
長居しても悪いので、切りの良いとこで部屋を出る。
しかし、本番までの時間は意外にあり
振り確認はもちろん、
武道館の中を探索したり、
客の並びを見に行ったり、
外タレ控え室チェックしに行ったり、
(セキュリティー立ってて厳しかった)
そうこうしてるうちに本番の時間が・・・。
さすがに30分前とかになるとドキドキしてきた。
ステージ裏で待機。
ヒッキー、バンド、みんなで声出し。
会場が暗くなり、ワーとなる。
お客さんも遂に始まった!という空気が歓声になる。
こっちもその空気にテンション↑↑
そして遂にステージに上がるのだが・・・
上がった瞬間、見たこと無い光景が広がっていた。
ゲネとは全く異質。
それはホタル(ペンライト)が満遍なく客席を包んでいる光景だった。
【・・・こんなにも変わるか】
顔は見えないが人のザワザワ感も伝わり
あのゲネで見たステージからの光景、空気感が全く違う・・・
これだけはガチでビビったのを覚えている。
そして本番が始まるのだった・・・。