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続編 パパが女(アリッサ)になったとき LA発LGBTトランスジェンダー家族日記

Image by Olia Gozha

3年前にMTF、トランスジェンダーだとカミングアウトしたパートナーとの家族体験記の続編です。日本に久しぶりに帰国した際に、わたしの両親に女になったもと夫を、「パートナーのアリッサです」とはじめて紹介しました。

LAの空港にて。2年ぶりに日本へ行ってまいります


アリッサもウッキウキ


春休みを利用して2年ぶりに日本へ。旅の日程は、家族4人で東京、京都を観光した後、日光の旅館で両親と姉と合流。


日光へ向かう電車の中で。車両の端のほうから携帯で会話する女性の大きな声。「随分、大きな声だなあ。周りのひとの迷惑を考えてないな」と思ってたら、アリッサが “isn’t that your mom?” 「愛のお母さんじゃない?」。


「ぎょっ」として声の主に目をやると紫の頭をした人が。それは紛れもない、私の母でした。母の隣には、すっかり白髪頭になって、ちょっと小さくなった私の大好きな父もいました。日光の旅館で集合の予定が、電車の中で再会できるなんて、なんてドラマチック。


女になったアリッサを紹介する心の準備もままならなかったけど、「これが運命なんだな、これでよし!」と思い、アリッサと娘たちの席へ両親を連れて行きました。


母は何事もなかったように、アリッサと普通に会話してました。前もって、「アリッサと呼ぶように」って伝えておいたのに「エイタスくん」「パパ」を連呼してたけど。


父は笑い転げてました。「うわっはっは、うわっはは」と転げた後、「うわっはっは、うわっはっは」ってまた転げてた。しばらく笑い転げてから「お元気そうでなによりです」って妙にかしこまって挨拶してました。

父の笑いが伝染して、みんなが笑って、わたしも笑ったけど、胸とか脳天とか目頭とかが同時にじわっと熱くなって、熱い涙がポロリと落ちました。

両親ともにとてもよい対応。100点満点。

ありがたいな、あったかいなと思いました。



桜、桜。娘たちは京都の街に惚れたようです


紫の頭のおばあちゃん。最近、耳が遠くなって、携帯で話す声がついつい大きくなっちゃうそう。それはわかるけど、電車の中で携帯でちゃダメよ。







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