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私は商業高校を卒業して、農業機械の整備工場に所属した。
機械いじりをしたこともなかったが、「アイアンマン」を作りたいと思い、それだけの理由で技術職のある会社へ入社した。当時は真剣だったが、甘い考えだ。
3ヶ月の新人研修を経て、配属になったのは、大型の整備工場だった。
ここは県内の支店で修理できなかった機械が集まる、いわば修理専門の工場だ。支店にも腕利きの技術者が配属されているが、それでも直らなかったものがくるので、ここに配属されている先輩方はプロフェッショナルである。
他の先輩に話を聞くと、新人はそれぞれの県の大型修理工場に配属され、そこで知識の豊富な技術者に修理を教わり、支店に配属されるのだという。大型機械や多くの修理が入ってくるので、人数も多く、支店で経験できないことが多くあるので最初に配属するらしい。
しかし、私の配属したところは事務員と自分を入れて5人だった。
ホワイトボードにはずらりと機械の名前が書かれており、工場には原型がわからないほどバラバラにされた機械がずらりと並んでいた。
最初の頃は年の近い20代の先輩に教わった。と言っても、人数も時間も足りていないので、基本的な機械の洗車の仕方を教わり、外で永遠と洗車をし、終わったら確認してもらうということの繰り返しだった。
1週間ほど経って、少し慣れ始めた頃の昼休憩中、突然
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