私には3日だけ付き合った元カレがいる。
けど交際3日で終わった。
『やっぱなんかちげーや』
オブラートに言ってくれたが、実際の所は可愛い子に告白されてそっちに行った。
ヤツは面食いで今まで付き合った子は可愛い子ばかりだ。ヤツ自身は全てにおいて普通なのに。
いや、少しきつく言い過ぎか。
それなりにモテるとだけ言っておこう。
ヤツとは付き合う前も後も男友達みたいな感覚で仲良くしていた。
付き合う事になったのもカノジョと別れたばかりで弱っていたため誰でもよかったんだろう。
そんな面食いな馬鹿野郎が2か月会わない間にまた恋に落ちていた。
久しぶりに会ったヒロはその日やたらニヤニヤしながら携帯をいじり続けていた。
「なにしてんの?」
ヒロ「メール」
受け答えはするが、こちらを見向きもしない。クソ野郎が!
ヒロ「ネットで知り合った子好きになってさ。会いてぇなぁ~」
写真見せろ。とにかく早く見せろ。と言うが中々見せない。
いつもなら自慢気に見せてくるのにおかしい。
『顔知らねーんだ』
こいつの女包囲網はかなり広い。昔からネットでもおかまいなしだ。なのでネットという部分には驚きはしない。
「可愛いは?どこ?」
『文面から見える人柄的なやつ』
「笑」
笑うしかない。
『好きになってしまったんだよなー』
あれ、私付き合った3日間でもこれは言って貰えなかったぞ。。。
「写真見せてって言った?」
『言ってない。』
「見たとしてさ。可愛くなかったら?」
『変わらないと…思う』
「嘘つくな笑」
可愛い人しか受け付ないだろうがあんたはさ。
「人にはそれぞれ許容範囲っていうのがあるのよね。んで、ヒロはそこがかなり狭いわけ。分かる?」
『分かります。』
「可愛くなかったら?」
『変わらねーよ』
まじか?
てかコイツだれ?
ヒロはその日帰るまで携帯を見てニヤついていたし、そのネットの【ナオちゃん】の事をよっぽど好きな事だけは分かった。
しかし、彼女は一ヶ月後ヒロの前から消えた。
《告ったらいなくなった》
ヒロからのメールで目を覚ます。
内容を見て少しの好奇心と心配を引き連れてヒロの元へ向かった。
1ヶ月前とは違いヒロは元気がなく、もちろん、ニヤつくこともない。
話を聞いて見ると、どうやら【ナオチャン】も気持ちはヒロと同じだったらしい。
でも、【ナオチャン】には事情があり必ず連絡するから少し時間を下さい。と、言われ音信不通に。
「もうそれ連絡来ないでしょ。」
『そうかな』
「だって告白したら。でしょ?」
『顔見せて告った』
「じゃあタイプじゃなかったとか?」
「まじか…」
あんただって散々そういう選び方してきたでしょうが。
『待ってみるわ。』
そう言って半ば強引に解散することになった。