第13話 世界のど真ん中を生きる!チリ・アルゼンチンのパタゴニア地方➡︎イースター島!【小児科ナースが天国に行った子ども達と地球2周半、暗闇の奥に見えたとんでもなく輝く世界*】

再び、アルゼンチン
人生の冒険とは?
「北へ!バスで3日で行く道と
何週間かかるかわからないけど
冒険する道、どっちがいい?」
宿で偶然出逢って仲良くなった私たちは
「ぼ・う・け・ん!!!笑」
と一致団結した。
さすが、バックパッカー。
誰も「でも仕事が・・!お金が・・!時間が・・!」なんて言い出さない。
バックパッカーという生き方は
本当のワクワクを追いかけるプロでもある!
そして、実は、この冒険・・・
これから先の人生への
本当の冒険の入り口だった!
【外れる枠!広がる世界!】
アルゼンチンからバスとヒッチハイクと徒歩で国境を越え、チリに入国した。チリの南部、パタゴニア地方(チレチコ)から世界一美しい街道であると有名なアウストラル街道を通り、移動手段がほとんど無い道を村ごとに刻んで北を目指す!
①「無い」も「ある」も同じ意味!
「船も無い、バスも無い、
ヒッチハイクも捕まらない
=街から出られない♪」
を、何度も繰り返して、北へ、北へ。
でも・・・
「ワインはあるし、朝日もある!
最高の仲間がここにいる〜♫」
絶対に車がつかまらないような
5人でのヒッチハイクは、途中から
洗濯物干しタイムやトランプ大会に変わった。
バスも船もない現実は
この街を思いっきり堪能できる口実に変わった。
「無いもの」よりも「あるもの」に目を向けると
見える世界は、どんどん明るく楽しくなった!!
バスやミニバンの手配や値段交渉
毎日の家探しのおかげで
スペイン語と大富豪はどんどん上達し
行動力は、日に日に増した。
「無い」なら「無い」であるものがそこにある!
「ある」なら「ある」で無いものがそこにある!
「ある」も「無い」も存在しない。
全てがあって、全てが無い。
「ある」も「無い」も決めるのは全部自分!
人生は、自分の好きなように感じて
楽しくアレンジして生きていい!
平日の昼間から日本の裏側で、日本では“働き世代“と言われるいい大人の私たちが、水の代わりにワインを呑み、路上で出逢った世界各国からのバックパッカー達と歌を歌い、犬と一緒にお昼寝をしている
おじいちゃんとともに空を見上げ、時間に追われずのんびりとお料理をして・・。
「しなければならないこと」も
「当たり前」も「常識」も
本当はこの世界に一つもなかった。
「無い」からこそ見える世界があって
「ある」からこそ味わえるものがあって
本当に必要なものが目の前に
ただ、あって、そして、無いだけ!
いつだって、問われているのは
この世界の全てをどう愛すのか!
世界は思ったよりも、自由だった。
数日間の努力の末
なんとか捕まえた車で走ること数時間・・・
目指すは次の街、プエルトトランキーロ!
②「叶わぬ願い」は今ここで生きる意味!
地球の広大さに、もう、
ニマニマ笑いがとまらない!!!!
そんな私たちの目の前には
予期せぬ絶景が次々と現れた!
青々と透き通るような水色の湖と空。
同じ青でも全然違う色がたくさん!
木々や山々の緑も一つとして同じ色は無くて
そんな景色に感動しながら北へと続く道を
ミニバンでずーっと走り抜ける。
奇跡のようなプレゼントの連続!!!
遠回りでも寄り道でも無駄に思えても
心が喜ぶ道の先には
予想以上の生きる喜びが
私たちを待っていた!!!
そして、ついに
プエルトトランキーロ!
美しい景色を背に知る、新たな事実!!!
「次の街へのバスは無い!」
「次の街への船も無い!」
「またかよー!!」と、もはや笑えてくる!
でも、目の前に広がるのは
美しすぎる、地球の景色たち!!!!
「この街でまたみんなと全力で
遊べる口実ができたーーー!!」
旅も人生も
思い通りにいかないことばかりだけど
だからこそ今ここで生きる意味があって
だからこそ奇跡のような喜びにも出逢える!
マーブルカテドラルの透き通った青さは極上だった。
数日間かけて次の街のコヤイケへ向かい、
コヤイケではその次の街の、
プエルトモントへ向かう船を1週間待った。
チリの可愛い雑貨に思わずキュンキュン!
公園でのトランプや「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」
喜びの瞬間を見逃さずに
恐れずに幸せを選んで
与えられたたくさんの出来事を
思いっきり、楽しんで生きてみよう。
思い通りにならないことこそを
心の底から笑って愛せるように!
プエルトモントへ向かう船の上からは
イルカもクジラも見えた!!
そして、チリの首都、サンティアゴを目指す。
③どんな人間で在りたいか!
思いっきり努力した後は
どうあがいてもなるようにしかならない状況に
「今を楽しみながら、身を委ねる!」
という面白さを覚えた。
「迷子の先」には無限大の道が広がる。
「行き止まり」の向こう側はとびっきりに美しい!
「今の先」には自分の見たい未来が広がっている!
最高の仲間とともに毎日地球で遊んで
四六時中ともに過ごし、そしてついに・・
家族になった。
血が繋がっていなくても家族になれる。
心の底から笑いあえる仲間がいる。
1人で生きていかなくていい。
旅での出逢いは、人の内側から。
その人がどんな人生を生きてきたのか
何を大切にしていてどんな時に嬉しいのか
今は何を感じて生きているのか
人間対人間として出逢えるから
心の距離が、近い。
年齢、職業、過去、未来、財産、経歴、
家計、人種、言語・・なんて関係ない。
人と人との繋がりは
そんな枠組みには左右されない。
大切なのは
「どんな人間か」!!!
そして、いつからか
自分用のテントを持つようになった。
テント=マイホーム!
④世界のど真ん中は”ココ”にある!
(犬小屋の隣!笑)
マイホームを持ち歩くようになった私たちは・・
「今日の家はここ!!」
「この絶景が、庭!!」
また、人生の枠が一つ外れた。
そもそも・・・
地球上「どこに住むか」ではなくて
地球が丸ごと家で!
地球上どこでも庭で!
人生のフィールドが、地球!
世界のどこにいたっていつも
世界の真ん中は“わたし”だった!
人の数だけ、世界はあって
みんな世界の中心を生きているんだ。
誰かの目に怯える必要も
誰かに嫌われることを怖がる必要もない
心のど真ん中から向き合えば
ちゃんと伝わるし
全部全部、大切にできる。
私が私になればなるほど
私が私を思い出せば思い出すほど
世界は眩しく、輝いていった。
どうせ生きるなら、
世界の、ど真ん中を!!
自分の、ど真ん中を!!
綺麗な自然に心から癒され
毎日一緒になって地球上を駆け巡り
一緒にご飯を作り食卓を囲み
仲間とお腹の底から笑い合ったパタゴニア。
私たちの最終目的地はイースター島!
【よろこびの切符を手放すとき】
私は、泣いていた。
こんなに生きる喜びを感じながら生きている日々。
一度涙が溢れると、何時間も、止まらなかった。
退職後、10か月経っても、夢の中では相変わらずまだまだ看護師として病棟で働き続けていた。夜勤をして、点滴やミルクや沐浴や処置やオペ出し迎えで走り回って、急変対応をしては飛び起きて。我ながら、すごいと思った。(お給料をもらえるレベル。笑)
でも、きっとそれは「現場で感じていた大切なことを忘れたくない」っていう潜在意識があったから。そして、心の中には、急変や死別への悲しみがまだまだいっぱい溜まっていたから・・。人間関係も、多くの残業も・・怖かった。
日本にいた頃は「泣いちゃいけない、頑張らなきゃいけない、タイミングよく笑ってなきゃいけない、タイミングよく楽しんでなきゃいけない、心から笑っちゃいけない、仕事を優先しなければいけない、空気を読まなければいけない・・・」正しさを選んで、自分で決めた枠で、自分の心を縛っていた。
大好きな日本なのに、帰国が見えると「またあの世界に戻るのか・・」と、日本の社会に戻ることに対して、心が「イヤダイヤダ!」と思いっきり叫んだ。
悲しい涙、どうしようの涙・・あふれてあふれて、日本の裏側で思いっきり泣いた。泣いて泣いて泣いて、人はこんなにも涙が出るのかと、不思議に思うくらい、泣いた。
そしてまた、目の前の絶景に癒されて、太陽や月に励まされて、仲間に受け止めてもらって。そうしていくうちに、心に溜まっていた悲しみはとけて、悲しい涙は、どうしようの涙は、美しい涙に、変わっていった。
「大丈夫、怖がらなくても
私はもう、忘れない。」
天国に行った子どもたちと一緒に旅をして、「生きる」っていうことを全身で感じて、本当の幸せを心に思いっきり刻み込んだから。
私はこれからもずっと
幸せを選んで、生きていく。
そうやって
この世界の全てを愛して生きていく。
だから・・・
”手放そう。”
ずっと、御守り代わりに
携帯の待ち受け画面にしていた
病棟で子ども達と撮った大切な写真。
「よろこびを選んで生きていい」切符。
やっと、変更することができた。
私に本当の幸せを
教えてくれて、ありがとう。
そして、ついに、イースター島へ!!
世界のど真ん中を、生きるために!!
イースター島で
世界のど真ん中を生きる!
【モアイが教えてくれたこと】
“雨ニモマケズ、風ニモマケズ
どんな時でも上を向いている
モアイ像のように強くなりたい“
そんな気持ちでモアイに会いに行ったら・・・
温泉から顔を出すみたいに
地面から顔を出すモアイ。
大空を見上げて寝転んでいるモアイ。
自由な角度で佇むモアイ。
“自分らしい角度でいたらいいんだよ“
ってモアイ像たちからのメッセージ!!!
最初は動かないし喋らないモアイ像に
物足りなさを感じたけど
いつの間にかモアイと朝日
モアイと青空、モアイと夕日、モアイと星空…
と、モアイと自然のパパラッチになっていた!!!
イースター島は自然が美しい!!
月が昇って、海の波の音が聞こえる夜。
街灯がほとんど無いイースター島。
月が沈む夜明け前に、
バイクを借りて星空と朝日を見に走る。
“月よ沈め、月よ沈め”
朝日が上がる前に、暗闇の中の
満天の星空が見たくてそう願った。
山の後ろへゆっくりと沈みゆく月・・
と、その時!!!
満月の月明かりに雲が照らされて
星空の中に虹が現れた。
月明かりで見える、ルナレインボー!!
“月よ沈むな、月よ沈むな!”
勝手な私の願いとは裏腹に
月が沈んで、虹が消える。
すると辺りは真っ暗になって
手を伸ばしたら届きそうなほどの
無限大の星屑が夜空に輝く。
天の川が大きく橋を作り、流れ星もたくさん見えた。
空の色が明るくなってきて
水平線が優しい虹色に染まったら、朝日が昇る。
朝日のまぶしさと温かさを感じて
また1日が始まる。
青空の中に雲が浮かび
時折あるスコールの後には
大きくて濃い虹が見える。
海の青も、大地の自然豊かな緑も、
空の青も、虹のクラデーションも
何一つとして、同じ色はない。
———地球はこんなに色鮮やかで
どこまでも美しい
海が広がる崖の
すぐ近くのキャンプ場にテントを張り
テントの中から広い空とモアイ像と海を眺める。
山に登り、ドライブ、モアイ像を巡り、
海で泳ぎ、釣りをし、昼間からお酒を飲み、
スイカ割りをし、昼寝をし、
音楽を聴きながらぼーっとする。
空が優しく色を変え始める頃に
椅子とワインを持って
海が壮大に広がる「庭」へと移動し、夕焼け鑑賞!!
雲の色はどんどんオレンジに染まり
夕日と正反対の空は青々しくなる。
夕日はどこまでも眩しくて
海面に光の絨毯を広げる。
絨毯の上を太陽に向かって
走っていきたい気持ちを我慢して
これから日本の朝日になる太陽に
「日本によろしくねー!」
って伝える日々!!!
日が沈むと、空は
美しいオレンジと青と黄色とピンクと紫と・・
無限大の色のグラデーションになる。
東の空に浮かぶ雲は、ピンク色に染まる。
そうして月が出て、一番星が輝きだす。
地球は毎日毎日、この世界で生きる私たちに
違う色の美しいショーを見せてくれているんだ。
そして、私たち一人一人の心の角度によって
みんなそれぞれ違った見え方がある。
【枠を外せ!無限大を生きよう!】
本当に大切なのは、どう守るかじゃあなくって
この世界を、どう愛すか!
レギンスだってタイツだってTシャツだって
立派なバスタオルになれるんだ!
シャンプーなんて洗顔フォームにもボディーソープにも
洗剤にも柔軟剤的な香り効果にもなれる!笑
どんな悲しみだって幸せに変えることができるかもしれないし
どんな幸せだって悲しみに変えることができる。
むしろ、目の前のすべてのことの
奥の奥にこそ、大切な光が潜んでいた。
本当は、「問題」なんて、存在しない。
「問題」と解釈しているのは、自分の心。
全部全部、自分の解釈次第で
世界はどんな風にも変わっていく。
何を大事にするか、何を選ぶか
どんな今を、生きたいか。
未来にはいつだって
自分の見たい景色が、広がっている。
今も未来も、無限大。
悲しみが喜びになったり
寂しさが幸せになったり
人生が、もっともっと
カラフルになったりする
無限大の”今”を
思いっきり味わいながら生きるだけで
どんな景色も、輝くんだ。
世界を見る角度次第で