この世界は狂ってる。
それに染まる狂った人たちを、
冷静な目で私はいつも見ている。
中にはそこからはみ出す人たちもいる。
たまにいるそんな人たちに、
私は初めて興味を示す。
うつ病
社会不適合者
薬中
それが、わたしには正常に見えた。
とても純粋に見えた。
そこに死を感じ、生を感じた。
この狂った世界にいれば、そうならざる得ないはずだから。
私はどこかで、
壊してはじめて、創造が生まることを知っていた。
だから壊した。
逃げ場を無くしてやるために。
終わらせてやるために、眼につくものすべて壊していった。
けれど、それは壊せば壊すほど抵抗をはじめる。
生存維持のために、
それは破壊をとめようとする。
死を目の前にしたそれは、
驚異的な力を発揮する。
死に物狂いに私に抵抗した。
そして、私は
物理的に、
精神的に、
壊される。
血に染まった身体は、
冷静に私を見ていた。
空を見上げて、いつも思う。
「この世界は狂ってる。」
美しいものが好き。
木々の木漏れ日、
鳥の飛び立つ羽根、
川のせせらぎ、
この地球には美しいものが溢れてる。
だから、好き。
だから、愛おしい。
だけど、
この世界には美しいものがない。
探せど探せど見あたらない。
汚れたそれで覆い隠されている。
硬く、頑丈で冷たいもの。
だから私は壊し続ける。
私はずっと泣いていた。
昔からずっと。
何に涙を流しているのかは、
自分でもわからない。
毎日のように泣いていた。
絶望、
悲しみ、
孤独、
愛、
美しさ、
色んなものを思い巡らせ、
結局何に泣いているのかはわからない。
わたしはつながりを求めていたのかもしれない。
眼に見えない、本当の美しいつながり。
それは、
私が存在する、証。
だから、私は求めた。
つながりを探して、求めた。
私を証明する、つながりを。
私は壊しながらも、そこに求めた。
肉体的なつながり、
精神的なつながり、
それを、
私は求め続けた。
けれど、求めど求めど
そこには何もなかった。
そこには、私が求めるものはなかった。
そこには何もなかった。
私は求めることをやめた。
私は何も求めることをしなくなった。
自分を証明するものを。
そこはもう、
絶望ではなく、虚無だった。
私の求めるものがない
このつまらない世界に、
終止符をうつことにためらいはなかった。
私には壊すことしかできない。
偽りの世界の生き方がわからない。
こんな世界消えてしまえばいい。
壊すことができないなら、
わたしは消えてしまいたい。
私はすべてを諦めた。
理想も、
未来も、
自分も。