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腰痛のはずの母が、死んだ 2

Image by Olia Gozha

忘れられない、8月2日。

この日は地元へ行く用事があったので、ついでに実家に寄って帰ろうか…くらいの気軽な気持ちで。夕方、迎えに来てくれた夫にマンションまで連れて行ってもらいました。

夫とはマンションの前で別れ、いつものように家に入って…母のいる部屋に足を踏み入れ…まず感じたのは異臭でした。

まだ60代前半の母が紙オムツをつけていて。痛みで横になる事もできないのか、床に座り込んでベッドに身を投げ出していました。

そして…それ以上に衝撃を受けたのが、母の見た目でした。年の割には若く見える方で、会う時はいつも身綺麗にしていた母。それが10も20も一気に歳を重ねてしまったかのように、老け込んでいて…。歩けないせいか、足の筋肉が完全に落ちて痩せ衰えて。まるで別人、寝たきり老人のような外見に変貌していたのです。

当然、物凄い衝撃を受けました。でもここでショックを受けた様子を見せたら、母が気にしてしまうかもしれない…。弱い所を見せたがらなかった母の性格を思うと、何でもない顔をした方がいい。この時はそう思って…。

ただ何とも心配なのはどうしようもなく。顔を出すだけのつもりでしたが、身体のマッサージをしてあげたり。病院行きを勧めたり、父や弟の食事の支度をしたり…とりあえずその場で出来る限りのことをして、自宅に帰りました。

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