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大病をしたら人生観が変わるってホント? 若年性乳がんになって感じた事。

Image by Olia Gozha

乳がん患者になった日

2013年。3月上旬。

入浴中に左胸がいつもよりヒリヒリと痛かった。

その時は生理になったばかりで、いつもより胸が張ってるなと思い、何気なしに左胸を触ると硬いモノを発見した。

その日は日曜で主人も家に居たので、お風呂場から主人を呼び付けた。

『なんか、左胸に硬いシコリがある 

みたいたんだけど…』

と言うと、主人は両胸を確認してくれた。

そのシコリは主人にもわかった様で、私の勘違いではない事が判明。

マジで??

頭が真っ白になった。

乳腺繊維腫瘍という良性の腫瘍を持っている友人がいる。

そのシコリを触らせて貰った事がある。良性の腫瘍はコロコロとしていて、触ると胸の中で動くのである。しかも、痛くないらしい。

だか、それとは明らかに違う。

明らかに大きく、そして硬い。

しかも、頑として中で根を張ったように動かない。

怖くなった。

もしかして、乳がん?

そう思ったが、生理中だった為、

生理が終わってから検査に行く事にした。

一週間たってもその左胸のシコリはなくなっておらず、むしろ気付いたお陰でずっとズキズキと痛む様に感じる。

とりあえず、ネットで乳がんについて検索しまくった。

乳ガンは痛くない。

そんな情報もあり、それを信じたかった。


不安な思いを抱えて乳腺外科専門のクリニックに検査に行った。

初めてのマンモグラフィ。

痛い痛いとよく耳にするが、けして貧乳ではない私でもかなり痛かった。

予想以上だった。

シコリのある左胸は

《ヤメテ》

と、絶叫するほどの激痛。

まぁ、やめてくれるわけもない。

声にならない雄叫びをを心の中で何度もあげた。

胸エコー、触診。

全ての検査が終わり、診察室に呼ばれた。

先生はエコーとマンモグラフィの画像を見せながら詳しく説明してくれた。


その結果。

右胸 特に異常なし。

左胸 乳頭付近の乳腺上に2.7㎝の腫瘍有り。


悪性の可能性が高いだろうと言う事で2日後に少し切開して腫瘍の組織を取り出す組織検査をする事になった。


組織検査は部分麻酔を打ってからしてくれたので、痛みはましだった。

拳銃のような器具の先に筒状の採取用の針みたいなモノを装着し、バチーンと撃ち込んでいく。

痛くはないが、検査室に響く音がコワイ。

後二箇所と言うところで麻酔が切れ始めた。多分、私が肥えているせいで麻酔の効きが悪かったのだろう。

麻酔が切れてからの2回は拷問かと思う程の激痛だった。

検査結果は10日後だった。


悪い結果でもキチンと受け止めようと心に誓い、いざ診察室に。


Dr.『今は必ず患者さんにも真実を話さなくていけませんのでね。結果は悪性腫瘍でしたよ。』

なんとも軽い。

ガンの告知なのにこんなに軽いモノなのかと言う程にサラッと告知されてしまった。

あっけないなぁ

と感じながらも、

やっぱり

と言う気持ちが心を占めた。

私『乳ガンって事ですよね?』

Dr.『そうですね。今直ぐに治療を始めた方がいいでしょうね。』

覚悟していた事とはいえ、やはり暗い絶望感に似た感情が込み上げてくる。

しかし、クリニックの近くの総合病院の乳腺外科の診察の予約を2日後にとてあると言う話を先生にして頂いて、有無を言わせない対応の速さに少し救われた気持ちになった。


そうだ。落ち込んでる場合じゃない。

次の事を考えなくちゃ。


そう思えたからだ。


2013年4月上旬。

私は乳がん患者になった。

後、1ヶ月で34歳になるという春だった。





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