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13/5/8

心無しかマギー審司が小さく見えた話

Image by Olia Gozha

ぼくの幼少期の話。幼少期前半は、神奈川の横浜に住んでいて、9歳ほどで親の故郷である沖縄の伊平屋島という、ほんと小さな離島へと引っ越した。


そこまで激しく言っていいか分からないが、都会から大きくインフラダウンして、子どもながらに大自然に心を馳せており、青々とした空とエメラルドグリーンの海を思う存分に楽しんでいた。


都会から田舎へ、首都圏から地方への移動ではインフラにも違いがでるが、子どもにとってはあまり気にならず、一番の関心事は「ことばのちがい」だった。方言だ。


おじぃおばぁの島ことばは勿論なのだが、小さな小学校に通う同級生のことばにすら「えっ?」と聞き返してしまうこともしばしばあった。


島に住み始めて、わりと早い段階であったと思う。新しいことばを覚えた。よく同級生が使っていたことばで、釣りとか一緒にいくと頻繁に出ていた気もする。そんな方言が「まぎー」ということば。


なんでも「大きい」とかの意味らしい。「でーじまぎーやっさ!(すげぇ大きいよ!)」とはしゃぐ友達を僕は最初はただただ見ていた。ことばの意味を理解し始めると...いやそれでもやはりただただはしゃぐ姿を淡々と見ていた。子どもの頃から、もともとドライな性格だったのかねぇ。


それから幾つか時間が経ったんだけど、NHKのオンエアバトルを見ていたら「でっかくなっちゃった!(耳)」でお馴染みのマギー審司を見かけることになる。


幼きぼくの頭に「まぎー=大きい」の意味でしか刷り込まれてないもんだから、「マギー審司=大きい審司」だとしか思えなかった。「でっかくなっちゃた!」なんてフレーズを使うから余計イメージも重なりあってしまい...


大きいの形容詞がついてる癖に「マギー審司は、言っても、小さいよなぁ」と不思議と思ったもんだ。そう、心無しかマギー審司が小さく見えた。


ぼくも都会に住み続けていれば、こんな勘違いはなかったはずなのに。知ってることが増えることで生まれる苦しみもあると、幼いぼくは学んだのでした。


マギー審司さん、好きですよ。


l_maggyshinji
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