ふとしたきっかけで学祭を思い出す
東京に越してきて2ヶ月になろうとしているが、なかなか悪くない。
「死んでも東京なんかいくものか」と思っていた若々しさが少し薄れ、その分受け入れられるものも少し増えた。
新宿とか渋谷とか池袋みたいなところは、未だに全く近寄りたいと思わないけれど、目黒ぐらいだとまあ、なんとかなる。
東京通ぶるのが嫌で、でも知っている名前が出てきた時に思わず反応してしまう程度には幼いので、あえて地名は覚えないようにしている。我ながらなんとも面倒くさい。
だから土日は遠出せずに割と近所をフラフラとしているわけだが、なんだかんだで賑わっていて、毎週なにかしらのイベントが開催されている。
人ごみは苦手だけど、街の雰囲気が明るくなることは良いことだ。
先週は近くの大学で学祭がやっていて、ふと思い出してしまった。
自分達が学祭をやっていた頃のことを。
「学祭=ひたすら琵琶湖を回り続ける期間」という伝統
大学の頃の部活について少し説明しておこう。
体育会自転車競技部という名のその部活は、一風変わった人達が多かった。
「オレ変わってるぜ、どうだ面白いだろ」的な中二病の延長線上ではなく、明らかに最初から進んでいるライン違っていた。
考えてみて欲しい。
青春とお金と単位を犠牲にして、それほどメジャーでないスポーツにアマチュアとして身体と精神をギリギリまで捧げる意味を。
新歓ですごく楽しそうな雰囲気を醸し出すサークルやすごく組織力のありそうな体育会、とても将来のためになりそうな研究団体が数ある中で、申し訳程度にテントを出して全く勧誘してこない団体にあえて飛び込む意味を。
試乗会と称して新入生を山に連れて行き、ボコボコにして日頃のストレスを発散する先輩達の背中を追いかける意味を。
客観的に見ても、主観的に見ても、楽観的に見ても、悲観的に見ても、その意味は薄いように感じる。
その意味の薄そうな活動を「何でやっているのか自分でもよく分からない」と言いながら継続したり、失踪したり、突如カムバックしたり
私(1回生)「ちなみに、学祭の期間って何するんですか?」
先輩「アホか、そんなん琵琶湖回るに決まってるやろ」
私(1回生)「すんません(え。。)」
先輩「まあ冬はレースないけどな」
私(1回生)「なんで琵琶湖ばっかりなんですか?(1日200km)」
先輩「授業ないし、暇やんけ」
私(1回生)「(いや、授業がないのは学祭があるからで)ていうか、毎日200km走ることに意味はあるんですか?」
先輩「いや、特にない」
私(1回生)「え、じゃあ学祭やりましょうよ」