top of page

4年前、学祭でナマズを売っていたら時代が追いついてきた話

Image by Olia Gozha

ふとしたきっかけで学祭を思い出す


東京に越してきて2ヶ月になろうとしているが、なかなか悪くない。

「死んでも東京なんかいくものか」と思っていた若々しさが少し薄れ、その分受け入れられるものも少し増えた。

新宿とか渋谷とか池袋みたいなところは、未だに全く近寄りたいと思わないけれど、目黒ぐらいだとまあ、なんとかなる。

東京通ぶるのが嫌で、でも知っている名前が出てきた時に思わず反応してしまう程度には幼いので、あえて地名は覚えないようにしている。我ながらなんとも面倒くさい。

だから土日は遠出せずに割と近所をフラフラとしているわけだが、なんだかんだで賑わっていて、毎週なにかしらのイベントが開催されている。

人ごみは苦手だけど、街の雰囲気が明るくなることは良いことだ。

先週は近くの大学で学祭がやっていて、ふと思い出してしまった。

自分達が学祭をやっていた頃のことを。


「学祭=ひたすら琵琶湖を回り続ける期間」という伝統


大学の頃の部活について少し説明しておこう。

体育会自転車競技部という名のその部活は、一風変わった人達が多かった。

「オレ変わってるぜ、どうだ面白いだろ」的な中二病の延長線上ではなく、明らかに最初から進んでいるライン違っていた。

考えてみて欲しい。

青春とお金と単位を犠牲にして、それほどメジャーでないスポーツにアマチュアとして身体と精神をギリギリまで捧げる意味を。

新歓ですごく楽しそうな雰囲気を醸し出すサークルやすごく組織力のありそうな体育会、とても将来のためになりそうな研究団体が数ある中で、申し訳程度にテントを出して全く勧誘してこない団体にあえて飛び込む意味を。

試乗会と称して新入生を山に連れて行き、ボコボコにして日頃のストレスを発散する先輩達の背中を追いかける意味を。

客観的に見ても、主観的に見ても、楽観的に見ても、悲観的に見ても、その意味は薄いように感じる。

その意味の薄そうな活動を「何でやっているのか自分でもよく分からない」と言いながら継続したり、失踪したり、突如カムバックしたり





私(1回生)「ちなみに、学祭の期間って何するんですか?」

先輩「アホか、そんなん琵琶湖回るに決まってるやろ」

私(1回生)「すんません(え。。)」

先輩「まあ冬はレースないけどな」

私(1回生)「なんで琵琶湖ばっかりなんですか?(1日200km)」

先輩「授業ないし、暇やんけ」

私(1回生)「(いや、授業がないのは学祭があるからで)ていうか、毎日200km走ることに意味はあるんですか?」

先輩「いや、特にない」

私(1回生)「え、じゃあ学祭やりましょうよ」


←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

高校進学を言葉がさっぱりわからない国でしてみたら思ってたよりも遥かに波乱万丈な3年間になった話【その0:プロローグ】

2009年末、当時中学3年生。受験シーズンも真っ只中に差し掛かったというとき、私は父の母国であるスペインに旅立つことを決意しました。理由は語...

paperboy&co.創業記 VOL.1: ペパボ創業からバイアウトまで

12年前、22歳の時に福岡の片田舎で、ペパボことpaperboy&co.を立ち上げた。その時は別に会社を大きくしたいとか全く考えてな...

社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話(1)

※諸説、色々あると思いますが、1平社員の目から見たお話として御覧ください。(2014/8/20 宝島社より書籍化されました!ありがとうござい...

【バカヤン】もし元とび職の不良が世界の名門大学に入学したら・・・こうなった。カルフォルニア大学バークレー校、通称UCバークレーでの「ぼくのやったこと」

初めて警察に捕まったのは13歳の時だった。神奈川県川崎市の宮前警察署に連行され、やたら長い調書をとった。「朝起きたところから捕まるまでの過程...

ハイスクール・ドロップアウト・トラベリング 高校さぼって旅にでた。

旅、前日なんでもない日常のなんでもないある日。寝る前、明日の朝に旅立つことを決めた。高校2年生の梅雨の季節。明日、突然いなくなる。親も先生も...

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

bottom of page