ぼく「今すぐ会社を辞めなきゃダメなんだ!親父が言うあと数年後なんて待ってられないんだ。なぜなら、その時にはもうその仕事は終わってるかもしれないから」
この一言で、朝から足掛け6時間の会話に結論が出ました。
相手は僕の父親です。
2007年のとある日、僕はそれまで14年間勤めていた会社を辞めて、起業することを父親に相談していました。
勤め先の会社が嫌でやめたいのではありませんでした。
やりたいことがほかに見つかり、それで食っていける自信がもてたからです。
父は一部上場企業の役員になった人で、子供の目からすると、まじめな仕事人間でした。
父は僕が子供のころ、自分と同じような有名大学に入り、自分と同じような立派なサラリーマンになってほしいと思ってたそうです。
でもごめんなさい。
僕は期待と真逆な人でした。
大学をまともにいかず、勝手に退学し、バイト生活を経て、とある印刷会社に就職し、結婚して子供が生まれたけど、生活が苦しく、なにをしたかというと父親の縁故でとあるIT会社に中途で入り、生活を安定させた。
まあクズですね。
その会社は学卒でないと入れないんです。僕のような無名大学中退者なんて普通は相手にすらしてもらえない。
せっかく入れてもらったその会社を辞めようっていうんだから恩知らずもいいとこです。
しかも在職後半の3年間は僕休職していました。
福利厚生がしっかりしていた会社だったので、休職中でも給与の8割程度が支給されました。
休職中なにやってたかって言えば、ゴロゴロしたりネットゲームしたりぐらいでした。あと、出張でたまってたマイレージを使って海外旅行いったり。
休職期限いっぱいの3年を経て復職、その約1年後にやっぱ辞めますって。
もう人としてNGってやつです。
こんな経緯があるから、父親になかなか言えなかった。
何を言ってるんだ、これまでの分を取り戻すつもりで頑張れ。
そう言われてごもっともだし、言い返せないし。
だから、論理武装するため1年間かけました。
1年間、新しい仕事をサラリーマンと並行してやりました。
結果、僕は自分で新しい仕事の仕組みを作りだし、そこからの収入がサラリーマン給与を超えることができると確信できました。
僕がやろうとしている仕事、それはネットがらみでした。ネットビジネスは流行り廃りや変化が激しい。だから今よくてもこの先どうなるかわからない。どうしてもこの不安要素はぬぐえない。
家族もいるし、今の会社にいれば食うには困らない。
でもやるならいつ?今でしょ!(当時このフレーズはありませんでしたが)
延々その話しを聞かされた父は最後に「わかった。頑張れ。なにか力になれることあれば協力するから」と言ってくれました。
僕は心から「ありがとう」と言って電話を切りました。
父の了解がとれた僕は、もうなんの迷いもなくなりました。
会社にサクサクと退職願を出し、みなさんに挨拶をし、14年間のサラリーマン生活を終えました。
帰りの電車、心はとても晴れ晴れしていたのを覚えてます。
新しい仕事への期待もありましたが、それ以上にもう通勤電車にのらなくていいんだ、自由になったんだ、というほうが正直でかかったと思います。