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13で親に捨てられ、何とか生きて 何とか人並みになれたから 明日、東京を離れるよ。

Image by Olia Gozha

とにかく何もなかった、金も人脈も家も、

でも心はなぜか今以上に満たされていた時代。


今夜は寝れないから、あの頃の事少し思い出しながら寝ようかな。


… … …

25年前

2日分の下着と。ギターと。2万円を持ってこの街に着いた。


泊まる場所は無くても怖くはなかった。

特技があったから。


この2年間家賃も光熱費も払ずに過ごしてきた。

女性の家に転がり込むのが天才的だったから。


池袋西口 マクドナルド 午前9時

アルバイト情報誌とハンバーガー。

日雇い、履歴書不要、寮有り。

これが俺の条件。

電話する、待たされる、また10円が落ちていく、早くしろよ。

明日8時に巣鴨駅前集合、

白いバン、ナンバーは、○○○○


明日の夜には8000円入る。安心。

後は今晩寝る場所を探す。

窓から交差点眺める。

人が交差する。

あの人もあの人もあの人も僕は知らない、

あの人も僕を知らない

殆どがこうやって出会わないまま、他人のまま。


そう、でも、

今日はキミと出会ってしまったね。

さっき声かけた女の子と食事。食事代は先行投資。

全身がアンテナ化したこの体で彼女の微妙な変化を分析。

イケる。半落ち。

この子の家にしよう。


2日後、初めてキミを抱く。

キミの部屋で。

もう離れたくない。

このまま、一緒に暮らそう。

そう呟いた。


そう。こんな風にいつも殆ど失敗しない。


もう帰る家が無い少年の気持ち、少しわかりますか?


東京へ来るまでの途中、深夜高速バスの中から、窓の外

数々の街の灯り。

ひとつひとつ。家庭の灯り。

あの灯りのひとつに、幸せな子供がいて、優しいお父さんとお母さんがいる。


考えた。


今からそこに行くから、

僕をその家庭に入れてくれる?


そんなの無理な事


わかってるって。



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Image by Jukka Aalho

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