英語での日常会話はできる。
ビジネスレベルではどこまで通用するのか試してみたい。
それが、海外インターンにチャレンジした理由です。
行き先はシンガポール。インターン先はイベント企画会社。
現地の会社だったから、日本人は自分1人。
海外で働くという初めての経験。
留学とは違い、友達ができるわけでも、勉強すればいいわけではない。
ときにホームシックになり、ときにお腹を壊しながら、
1か月間のインターンがスタートします。
■シンガポールという国での暮らし
シンガポールは辛い食べ物が多く、そして食事はほとんど外食。
ホーカーセンターと呼ばれる屋台の集まる場所がいくつかあり、そこでみんな一緒にご飯を食べるという文化なのです。屋台ということで案の定お腹を壊しました。
そしてシンガポールではドリアンが大人気!専門店があるくらいです。
インターン先の人たちに誘われお店に行くとものすごい臭い。
日本人にはなじみの薄い食べ物。食文化の違いはなかなか大変なようです。
問題なのは食べ物だけではありません。
飲み水はもちろんペットボトルを買うとして、問題はシャワーの水・・・。
どうやらシャワーの水は硬水だったらしく、髪の毛がパサパサ。
わざわざちょっと値段の張る高いトリートメントを買うはめに・・・
■イベント会社という職場、最初の仕事
インターン先の第1希望だったのは、実はイベント企画ではなくコンサル業界。
残念ながらコンサル会社でのインターンは難しく、
もともと同窓会の幹事や大学でイベント企画をしていたので、身近に感じるという理由から第2希望にしていたイベント会社に決まりました。
イベントは土日に開催されるので、最初の2週間は月曜から日曜まで、休みなく働きます。代休はありますが、仕事が楽しかったので休まず働くことに。
1か月間のインターン、最初の2週間はイベントの現場のお手伝いが仕事でした。
初日、いきなり案内などの受付業務を任されます。
大量の来客をどうさばいていくか、とにかく必死。
ここで最初の壁にぶち当たりました。
■現地の言葉をひたすら聞いて課題解決!初めての「嬉しい」
シンガポールは「シングリッシュ」と呼ばれるほど訛りが強い英語。
日常会話はできるはずなのに、聞き取るだけでも一苦労でした。
そんな状態なので対応にも時間がかかり、お客さんは一緒に受付をしていた上司のほうにばかり並びます。「悔しい・・・」初日は苦い1日で終わりました。
このまま悔しいだけでは終われない!
仕事が終わってホストファミリーの家に帰り、毎日勉強。
極力自分の部屋ではなくリビングに居るようにし、
シングリッシュを話すホストマザーの話を聞くようにもしました。
努力の甲斐あり、翌週のイベントではずいぶと喋ることができるようになり、学生なのに頑張ってるね、と声をかけてくれる人や、自分と話したいからと並んでくれる人までできるように!
悔しい思いをバネに勝ち取った、インターン最初の「嬉しい出来事」でした。
■任せてくれることで生まれる責任感、ただその仕事量が半端じゃない!
独特の訛りを持つシングリッシュにも慣れ、インターンは後半戦のオフィス勤務へ。
マーケティング部に配員され、なんと営業を担当することに。
大きい会社ではないということもあり、とにかく一人一人の仕事の裁量がとても大きかったのです。
次のイベントのコンテンツを考えること、試供品の提供者を募ること、
宣伝してくれる広告媒体を探すことなど、とにかくたくさんの仕事を任されます。
自分に任せてくれることはとても嬉しい反面、
物事はそう簡単にはうまくいってくれませんでした。
電話やメールでコンタクトを取るも、返信が無かったり担当の人につなげてくれないことは日常茶飯事。
電話でコミュニケーションを取るのは普通に話すよりも難しく、ビジネス英語がまだ拙いせいで怒鳴られ、泣きながらオフィスを飛び出すこともありました。
とはいえ仕事は仕事。ここで辞めるわけにはいきません。
最初はメモを読み上げるだけだった電話も、メモ無しでスムーズにコミュニケーションが取れるようになり、徐々に協力してくれるところも見つかるように。
イベントは前年よりも3倍もの集客をおさめる大成功を収めました!
■インターンはハードルが高い?おまけのビジネスミートアップ
英語で日常会話ができないとインターンなんて到底無理なのでは、と思う人が多いと思いますが、私のインターン先ではむしろ英語が全くできない人のほうが多かったようです。「あなたは珍しいほうよ!」と言われたくらい。
前に来ていたインターンの人がつくった資料なんかを見ると、
きちんとした英語で書かれていて、本当に英語ができなかったのかな?と疑問に思うほど。それだけきちんと語学力も身に着くんだな、と思いました。
仕事の合間にビジネスミートアップにも参加しました!
日本人で、しかも学生の私にも同じ目線で接してくれ、
インターンをしているというと色んな話を聞いてくれました。
対等な立場で話ができる。これはとても素敵なことだと思います。
インターン先の会社でも、学生だからと簡単な仕事をまわすわけではなく、
社員と同じように責任ある仕事を任せてくれる。
ビジネスミートアップでは、マイクロソフト社のお偉いさんやお医者さん、
シンガポールで活躍している日本の方など、とにかく色んな人が居ました。
名刺をくれたり、「学生のことを知りたい」と朝食に誘ってくれたりします。
こういった経験は日本に居たらなかなかできなかったと思います。
今でもSNSでつながりがあり、誕生日などはメッセージをくれたりします。
■あなたはベストインターン!これからの目標
1か月でいろんなことができて、とにかく密度の濃い時間を過ごすことが出来ました。
メンターとしてお世話になった上司はとても毒舌だったけれど、
「あなたは今まで会った中でベストインターンよ!」と言ってくれ、今でも連絡を取り合う仲です。
休みの日にマレーシアに連れて行ってくれたり、一緒にドリアンを食べに行ったり。たくさんかわいがってくれました。
インターンをする前よりも、良い意味で怖いもの知らずになれたと思います。
なんでもチャレンジすればできる、という自信がつきました。
留学とは違い、友達がたくさんできるわけではないし、
日本の友人たちが春休みを満喫している姿をSNSなんかで見かけると、ついつい羨ましくもなったりもしました。
お母さんに電話したり、ホームシックになりつつもやりきったインターン。
そして今は、就職活動真っ只中です。
もともと「課題解決」がしたいと思い、コンサル業界を志望していたけれど、
インターンに参加したことで考え方が変わり、広告業界を志望しています。
人のニーズを分析してベストなイベントを企画し、人の心を動かすものを提供することがとても面白い、自分もそんな提案をしていきたいと思ったからです。
日本食が好きだから、生活するところは日本のほうがいいということもあり(笑)、現地で働くのではなく、日系企業に入って海外との懸け橋になりたいと考えています。
まだまだグローバル化に課題を持っている企業も多いと思うので、そういった課題も解決していきたいです。
インターン中に「あなたのおかげで日本人のイメージが変わったよ!」と言われたことがあったので、日本人に対する偏見やイメージも変えて、日本人として日系企業を支えていける人材になりたいという思いもあります。
こんなふうに目標が明確になったのは、インターンを終えて帰国してからのことです。
友人に話したり、プレゼンのために資料をつくったりすることで自分の中でも整理ができたことが大きいです。ただ経験するだけでは、それだけで満足して終わってしまっていたと思います。
就職活動前にインターンに参加できてとてもよかったと思います。
できれば在学中にもう一度海外インターンに参加したい!
海外に興味が無い人や語学力に自信が無い人にも、自信をもってお勧めできる。
それくらい価値のある経験でした。