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時は過ぎ、私は高校3年生になり大学受験に差し掛かっていた。
しかし成績も悪くこのままでは志望校も危ない私は家族に不安をぶつけるようになり、精神が崩壊しかかっていた。
どうしようもない気持ちを、夜中にランニングすることで発散するようになった。
ある夜中、泣きながら近所を走っていると道路の向こうに誰かがいるのが見えた。
私は慌てて涙を拭きながら、なぜか気になって近づいてみた。すると一瞬で懐かしい気配を感じた。小学校の面影を残したままのqちゃんがそこにいたのだ。
「えええええ何してるの!」
しまった。あまりに怪しすぎるところにいるものだから思わず声をかけてしまった。何してるんだ。
しかしqちゃんは普通に話してくれた。
「なんで泣きながら走ってるの?」
若干恥ずかしかったが何年かぶりに口をきいた。のはどうでもよかったのだがいろいろと動揺しすぎて状況がよくわからない。そしてその後のことはあまり覚えていない。
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その後、私とqちゃんはまた仲良くなっていた。大学受験に必死な私をわざわざ夜中に会って延々と愚痴を聞いてくれたりもした。今思うと心の支えだった。
そして無事志望大学に合格した時は、qちゃんも盛大に祝ってくれた。
過去のことがとても心に引っかかっていたが、それを今さらどうにかしてみる勇気など私にはなかった。ただやはり私が一方的に嫌って最悪な別れ方をしたにも関わらずあんな時間にあんな状況で再会してなぜ何もいわずにただ口を聞いてくれたのかやっぱり怖かった。
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