むかしむかし、あるところに運が良いと公言している青年と運が悪いと嘆いている青年がいました。
その噂を聞きつけた街の教授は興味を惹かれ、その違いは一体なんだろう?と、街のあらゆるところで青年たちの観察を試みました。
その違いをはじめに発見したのは、青年たちがバスに乗っていた時の出来事にありました。
どうやら、乗客の1人が体調を崩してしまったようで、バスが10分ほど停車することになったのです。
その時、運の良い青年は小さな声で
「あの人、大丈夫かな?停車することで授業には遅刻してしまうけど、おかげでゆっくり考えことができる時間が増えたぞ!なんで運が良いのだ!」
と言いました。
運の悪い青年は小さな声で
「なんてこった!これじゃ授業に遅刻しちゃうじゃないか!なんでよりによってこのバスでトラブルが起きるんだよ!あぁ、なんて運が悪いんだ」
と言いました。
またある時、運の良い青年は困っている人を助け、お礼にお茶をご馳走してもらいました。
店を出て、1人になると
「あぁ、なんて運が良いんだ。人を助けることができた上にご馳走までしてもらえたぞ。こんなに嬉しいことはないなぁ。僕は運が良い!」
と、言い、足を弾ませ歩いて行きました。
その数日後、今度は運の悪い青年が別の困っている人を助け、お礼にお茶をご馳走してもらいました。
店を出るなり、鼻息を荒くしながら、
「なんて運が悪いんだ!せっかく助けてやったのに、これっぽっちのことしかしてくれないなんて!もっと良いものご馳走しろよ!あーあ、時間を無駄にした。」
と、足元の石を蹴飛ばしながら、歩いて行きました。
また別の日、青年たちと共通の友人があるパーティーを開きました。
運の良い青年は招待されましたが、運の悪い青年は招待されませんでした。
そのことに憤った運の悪い青年は主催者の元へ駆け寄りました。
「なんであいつのことは招待しているのに、僕のことは招待してくれないんだよ!こんなの不公平じゃないか!」
すると、その友人はこう答えました。
「いやー、お前はさ、いつもネガティヴなことばっか言うじゃん。だからさ、一緒にいても楽しくないんだよ。
それに、やる前から
「どーせまたダメだろうな」とか
「どーせ上手くいきっこない」とか
やってもいないのに、言い訳ばっかり言うじゃん。正直うんざりしているんだよ。
だから、今回は悪いな。」
そう言い、その場を後にしました。
運の悪い青年は反省することもなく、
「なんなんだ!あいつは!誰も僕のことをわかってくれない!運が悪いのは事実じゃないか!あんな奴と友人だっただなんて、なんて運が悪いんだ!」
と、鬼の形相を浮かべ、その場を後にしました。そして、また一つチャンスを失ってしまいました。
ほどなくして、友人の元に運の良い青年が訪れました。
「パーティーに招待してくれてありがとう!君にはたくさん友達がいるだろう?それなのに、僕を招待してくれるなんて、光栄だよ。ありがとう。僕は世界一、運が良いようだ!」
と、眩しいほどの笑顔で友人と会話を楽しんでいました。
すると、その友人は
「君はいつもポジティブだからさ、一緒にいて楽しいんだよ。
厳しい意見を言った時も明るく受け止めて、前向きに捉えてくれるし、困難にぶつかった時も
「問題にぶつかれるなんて、なんて幸運なんだ!人より早く成長出来るじゃないか!」
「まずやってみようよ!上手くいかなくても、上手くいかない方法がわかるだけじゃないか!」
と言って、喜んでいるだろう?そういう姿勢が好きなんだよ。」
と言いました。
運が良い青年は
「いつも貴重な意見を言ってくれるだけではなく、そんなことも言ってくれるなんてありがとう!僕は本当に良い友達を持ったようだ。僕は運が良い!」
と嬉しそうにはしゃいでいました。
そして、また新たなチャンスをものにしていきました。
その後も調査を続ける度、運の良い青年は出来事をポジティブに捉え、運が良い!と公言し、運の悪い青年は出来事をネガティヴに捉え、運が悪い!と嘆いていました。
そこで街の教授はある事実に気がつきました。
運なんてはじめから存在していなかったのです。
存在していたのは、起こった出来事をどう捉えるのか?という認識だけでした。
街の教授はこの発見に胸を躍らせていました。
「あぁ、なんで私は運が良いのだろう!この発見を皆に知らせなくては。」
■運はあなたの態度によって良くも悪くも転がります。
運が良い青年は物事をポジティブに捉え、より運が良くなっていきました。運が悪い青年は物事をネガティヴに捉え、より運が悪くなっていきました。
あなたは物事をどのように捉えていますか?もしかしたら、運は身近なところに転がっているのかもしれませんよ。
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