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16/2/1

18歳でパチンコ屋で出会った31歳と付き合った話②

Image by Olia Gozha

平成27年3月23日、13歳差カップルが誕生


海で凍え死にそうになった日から約3か月2日に1度は会っていた。一緒にご飯食べたり、買い物に出かけたり。でも、「好き」とはお互い口にしなかった。

今が一番楽しいから、好きと言ったらこの関係が変わってしまうのではないか?

そんな不安から想いを伝えるのを踏みとどまっていた。

3月23日、彼と明治村にいった。(愛知県にある、昔の建造物がたくさんあるところ)

古いチャペルには誰もいなくてヴァージンロードで結婚式っぽい入場をして遊んでいた。

立ち止まって彼がかばんから何かを取り出した。

かわいい包みにくるまれたネックレスだった。


その日から私達は付き合い始めた。


4月からわたしは平日大学とバイトで土日は朝バイト終わってからデートするのが恒例になっていた。

連日の夜更かしと慣れないことの積み重ねで講義に寝坊で遅刻するのが多かった。

寝坊しそうになると彼は遅刻ギリギリなのに車で送ってくれたり、電話で起こしてくれた。

風邪をひいたら決まって心配して看病してくれたし、

自分が疲れているのにどうでもいい話をたくさん聞いてくれた。

ご飯を作ってくれることも多々あったし、ときには甘えさせてくれたり、時には私が成長するために怒ってくれる。


お母さんのようなお父さんのような頼りになる存在だった。

この人と結婚するんだ。

そんなことを呑気に講義中考えてにやけていた。

調子に乗っていた。





いつしか一緒にいることが当たり前になっていたし、何かしてくれるのが当たり前になっていた。

友達を優先して冬休み、1日しか一緒にいなかったり。

ほかの男子の話をしたり。

今思えばわたしは彼のために何かしたことがあっただろうか。


彼はきっとひとりで抱え込んでいた。32歳だ、結婚も意識するのに彼女は大学生でほかの男と遊んではいないか、彼女をどうしたら成長させてあげることができるか、サポートしてあげなければ、自分がお手本を見せなければ。


彼は常に人のことを考える人だった。自己犠牲してまで相手のことを考える人だった。

その性格を知っていたはずなのに、ひとりでたくさんのことを抱えさせてしまった。

彼のそんな私のことにしてくれた努力を水の泡にする行動ばかりだった。


わたしは自分の事しかしていなくてそもそも考えてなくて

すべてにおいて子供だった。


結局彼は1か月前に私の前から去っていった。

約1年間、半同棲状態だった人がこんなに急に会わなくなると死んだみたいだ。


きっと彼はこの1年私に振り回されて思い悩んでいただろう。

病気なのに、ずっとわたしに愛を与えつづけてくれたのだから。


彼と一緒に過ごしてきてたくさんのことを新しい視点で見れたり、いろんなところに行ってたくさん道を覚えたし、彼がわたしに与えた影響は計り知れない。


今は自分が子供だったことを思い知らされるだけだ。

私のことなんてもう顔も見たくない程嫌いかもしれない。

そういうところは本人しかしらないけど、ただひとつ分かることは彼は本当に彼はわたしを愛してくれたということ。


大人にならねば。









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