top of page

15/12/11

第百二十二章 愛されて生まれてきたはずなのに

Image by Olia Gozha

第百二十二章

「愛されて生まれてきたはずなのに」

誰だって、誰かと誰かが愛し合って生まれたはず。そして、生まれた時はまっさらで、真っ白のまま生まれてくる。なのに、どうして犯罪者やテロリストに育っていくのだろう。中学生や高校生を見ると、10年後にごうなるのかおよそ予想がつくようになった。

これも、30年の指導経験の賜物だろう。

つまり、13歳になることまでに

「この子は素晴らしい。おそらく医者にでもなって多くの人を救うだろう」

 という子もいれば、

「この子は間違いなく暴力団かヤクザになって人殺しもやりかねない」

 という子もいるわけだ。

 もちろん、人間は複雑怪奇なので

「なんで、あの子が」

 とか

「まったく普通の子でした」

 という凶悪犯も、たまにはいる。

 どこで間違うのか。遺伝か、教育かという二分法で長く語られてきたが両方の影響であることがハッキリしている。同じ遺伝子をもった一卵性双生児でも環境によって違って育つ。同じ家庭環境から違った子が育つ。

 矯正だ、更正だと言っても再犯率が40%という統計を見せられると

「やはり、遺伝か」

 とか

「成人してからの矯正は、ほとんどムリ」

 と思う人が多いのも当然だ。

 だとすると、学校や塾が中学レベル、高校段階で選抜をしたがるのは当然のことだ。もちろん、排除された子にも愛する保護者がついているのでモンスターに化するのはムリもない。

しかし、周囲の子にとって迷惑であり犠牲者が出る可能性があると排除せざるをえない。

←前の物語
つづきの物語→

PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

高校進学を言葉がさっぱりわからない国でしてみたら思ってたよりも遥かに波乱万丈な3年間になった話【その0:プロローグ】

2009年末、当時中学3年生。受験シーズンも真っ只中に差し掛かったというとき、私は父の母国であるスペインに旅立つことを決意しました。理由は語...

paperboy&co.創業記 VOL.1: ペパボ創業からバイアウトまで

12年前、22歳の時に福岡の片田舎で、ペパボことpaperboy&co.を立ち上げた。その時は別に会社を大きくしたいとか全く考えてな...

社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話(1)

※諸説、色々あると思いますが、1平社員の目から見たお話として御覧ください。(2014/8/20 宝島社より書籍化されました!ありがとうござい...

【バカヤン】もし元とび職の不良が世界の名門大学に入学したら・・・こうなった。カルフォルニア大学バークレー校、通称UCバークレーでの「ぼくのやったこと」

初めて警察に捕まったのは13歳の時だった。神奈川県川崎市の宮前警察署に連行され、やたら長い調書をとった。「朝起きたところから捕まるまでの過程...

ハイスクール・ドロップアウト・トラベリング 高校さぼって旅にでた。

旅、前日なんでもない日常のなんでもないある日。寝る前、明日の朝に旅立つことを決めた。高校2年生の梅雨の季節。明日、突然いなくなる。親も先生も...

急に旦那が死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ1(発生事実・前編)

暗い話ですいません。最初に謝っておきます。暗い話です。嫌な話です。ですが死は誰にでも訪れ、それはどのタイミングでやってくるのかわかりません。...

bottom of page