幸せな家族は皆似ているのだろうか……

日本人の友人や知り合いで、本物の幸せ家族から来たという人を知りません。大抵、家族とあまり話さない、1年に1度しか顔を合わせない、そんな家族ばかりです。

トルストイは、「幸せな家族は皆似ている……」と言ったが、むしろ、本物の幸せ家族というのは現代日本社会では絶滅の危機に瀕しているだろう。戦後間もなくからバブル崩壊以前までは、けっこうな割合で存在した幸せ家族も、今では絶滅の危機に瀕してる。

実は、卒業論文が文化人類学だった私が、フィールドワークとして、あるドイツ人Ｒとその家族に密着取材をした。ドイツ人Ｒの職業等についてはこちら。

ある幸せ家族の記録

家族メンバー

・父Ｍ　自動車整備の専門学校卒業後、数年の就職を得て企業・独立。電気工事会社（従業員40名）の社長。ベンツのＳクラス、ジープが愛車。

・母Ｓ　服飾専門学校卒業後、東西ドイツ統一のために仕事を失い、弁護士秘書として働く。Ｍの企業後は会社を裏で支えている。

・Ｒ　長男。8年間物理の大学に行ったあと、エンジニアをしている。就職と同時に一人暮らしを始めたのが28歳。

・Ｓ　長女。教育学部卒業後、すぐに就職。現在は遠方で一人暮らし。

・Ｔ　次女。Ｒより16歳くらい年下。中学生。

幸せ家族の実態

幸せ家族の危機の乗り越え方

放任主義

そして