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約束の日。
再会の待ち合わせ場所として決めていた駅に到着し、私はホームのベンチに座って大好きな洋楽のラブソングを聴き始めた。
一緒に住んでいた時や離れ離れになった時、彼のことを思ってよく聞いていた曲。
あと少ししたら彼に会えると思うと、私は自然と大好きな曲をリピート再生していた。
そして、携帯の画面をじっと見つめながら、彼からの連絡を待ち続けた。
1時間後、ようやく携帯の画面が光ると、そこには「 I got NY now :) How about you? 」の文字。
嬉しさと緊張でどう返事をしたら分からなくなりそうにながら、「約束の場所で待ってるよ。」と送り、期待で胸がいっぱいだった。
「やっと、やっと会えるんだ・・・。」
そんなことを頭の中でぐるぐる考えていると
「 Natsumi :) ? 」
聴きなれた声。私の大好きなドイツ語なまりの英語で私の名前を呼ぶ方を振り向くと、
そこには鼻を真っ赤にした彼が、少し申し訳なさそうに立っていた。
飛行機が予定よりも遅れて到着したから遅れてしまった、と彼は私に謝ってきたが、
私は別にそんなことどうでも良かった。
ずっと会いたかった人に会えた喜びで、私は十分だった。
ただ、私の幸せはこの時が絶頂だったのかもしれない。
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