書いていて辛くなったので、前回は一度話を切らせて頂きました。
前回までで、私は完全にリストカッター街道をひた走っておりましたが、そんな私にも、譲れない夢がありました。
”医者になる” なんで寄りによって医者なんだ。アホか私は。どこのどいつがあたしみてーなアブナイ医者に診察されたがるんだ。患者泣くぞ!?冷静に考えたらものすごく向いてないけど、私は医者になりたかった。
二次元でも三次元でも、大体の医者は、「医者には技術、知識と優しさが必要だ」っていうよね。
私が医者を目指していたのは、単に収入と技術、知識に憧れたから。人を救いたいとか、命を救いたいとかいう思いは全然なくて、もともと好きだった医学書に囲まれて、ザクザク執刀したいなーとか、そういう感じ。優しさも思いやりも全くない、THE,マッドドクター。そんな医者に憧れてた。
なんでだろう。あたしは、意地になって人となれ合うのを避けていた。人に弱みを握られたくなくて、「怖い人」「近寄りがたい人」を演じてた。マッドドクターも、その表れだと思う。もしそのまま成長してたら、あたしは多分手塚治虫のブラックジャックになってたわ。
話が戻るけど、当時の私の人格は破綻してたと思う。
人に弱みを握られちゃいけない、わたしのムチャクチャな人格を知られてはいけない、人と馴れ合っちゃいけない、泣いちゃいけない。
自分で勝手に設定したムチャクチャな自分ルールにがんじがらめにされて、意地張って一人で耐えて、そんな自分に酔って、そんな自分が嫌いになって、リストカットして、、という無限ループ。
狂ってたなあ、私。
そんな中、父親にリストカットがばれた。当たり前っちゃ当たり前だが、夜中にざくざくやってんのを見られて現行犯。カッターを奪われて、のど元に突き付けられた。初めて、死ぬ、という感覚を味わった気がする。
恐怖で無抵抗になった私を、父は殴り続けた。平手だったし、血も痣も痕も何もない、なのにリストカットよりもずっと痛い。当時の私にとって、リストカットは精神安定剤と同じだった。自分なんて死ねばいいと思う傍ら、恐怖で死ねなくなるのは目に見えている。だから、リストカット。腕の肉に、ずぶりと刃を立てると、すごく冷静に死んだ気分を味わえる。リストカットは、そうやって、死にたくなる気持ちをリセットする行為だったのだ。
だが、父への恐怖から、わたしはリストカットを辞めざるをえなくなった。私にリストカットを辞めさせるのは、愛情の表れ。そんなことはわかっている。だけど、リストカットなしでは生きていけない私がリスカを辞めるは、並大抵のことじゃなかった。
もう自傷行為はできない。けど、死にたい。死にたいという衝動をリセットしたい。
頸動脈を切れば、失血死できる。首を吊れば、窒息死できる。けど、できるわけがない。
その欲求は、体に表れはじめた。