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21歳のクソみたいな人生。

Image by Olia Gozha

母親と父親はデザイナーの卵で専門学校で出会ったらしい。

母親曰く父親の猛烈なアプローチに負けてデザイナーの夢を諦めて22歳で結婚…すぐに私を身ごもった。

妊娠中は私の父の実家で父の両親と兄弟とで住んでいたらしい。嫁姑問題でだいぶ苦労したって言っていた。


私が生まれてからは両親にとっては初めての子供、両祖父母にとっても初孫とあって溺愛されたらしい。

母は私を抱きたければ風呂に入り服を着替え歯磨きまでしてアルコール消毒をしてからとまで言っていたそうだ。


私が生まれて数ヶ月後父の留学でフランス、パリへ…

その頃から父の正体を母はやっと気付いたらしい。

父は仕事もダルいなどの理由で休みがち、母の料理が気に入らなければテーブルをひっくり返したり暴言を吐いたり、私の夜泣きがすると寝かすまで帰ってくるな、出て行けと夜中だろうが家から追い出されたらしい。

泣きながら毎日私を寝かしたといつもボソッとつぶらいてた。

そんな父だからか直ぐに日本へ帰国。


議員だった祖父の知り合いの学校のデザインの臨時教師として務めるようになった父は元々スポーツ万能、外ズラはいいし、口は上手い、音楽は出来る、デザインは奇抜でずば抜けて絵が上手い、それに加えて長身で当時24.5とゆう若さ。

生徒からは慕われ人気の高い先生だったらしい。

だがその反面育児はしない、遅刻はする、祖父にお金をせびる、他の先生方には偉そうなど散々だったらしい。


その頃には私の下に年子で弟が2人できていた。この時すでに姉弟の中で順位の様なものができていたのかもしれない。


母は酒を呑んではいつもこの頃の事を愚痴る。


わがまま放題で一切ゆう事を聞かない2歳の私の話を聞いてあげながら0歳の次男のお乳をあげていつも1歳の長男には背を向けていた。それでも賢く泣きもせず静かに寝ていた。長男が一番可哀想。2番目の子が一番可哀想。2番目はいつも損をしている。2番目が一番辛い。



母の2番目、2番目には理由がある。


母の実家は自営業でいつも両親は忙しく姉弟で全てしなくてはいけなかったらしい。

母は4人姉弟の2番目で上に姉がいて下に妹と弟がいる。

姉とは折り合いが悪かったらしい。

長女の私にも一番上が一番いい。

一番上はずるい。

といつも言っていた。

小学校の頃から鼻が高いことからイジメられていて、友達は一人もいなく好きな人が出来ても魔女と言われたりしていたらしい。


両親は共働き友達もいない姉とも折り合いが悪い、そうゆう全てのことが後に娘の私との関係にも影響したのかもしれない。


確か私が3.4歳くらいの時何が原因かはあまり覚えていないが一つ下の弟と喧嘩になり、そこで母が割って入ったのだが一方的かつ全面的に私を叱った。お姉ちゃんなんだから…それが哀しくて淋しくて辛くてたまらなく幼い私は初めて家出をした。と言ってもすぐ近所の祖父の事務所で働いてた叔母の所だった。


それからか私は万引きをするようになった。


何のためか何故なのか分からないけど欲しくもないお菓子、おもちゃ何回も何回も何回も万引きをした。

かまって欲しかったのか正直今でも分からない。


万引きするたびに親にバレて何発も殴られた。

平手から拳、拳から布団叩き、布団叩きから木の棒。


小学校まで万引き癖は続いたけどいつの間にか辞めていた。


祖父の仕事柄私は幼稚園の頃からイジメにあっていた。

友達からでは無い、友達の親からだ。私とは話してはいけない、遊んではいけない。そんなのは当たり前。

もちろん送り迎えをする母も。

母は父が議員の息子だとは知らずに結婚したらしい。本当かはわからないけど…


母はいつも謝ってた。何もしてないのに…

いつもニコニコしてた。楽しくもないのに…

理由は簡単。議員は票が全て。

嫌な顔してはいけない、悪い噂を立てられるから。

そのストレスは娘の私にきた。だってその幼稚園に通うって言ったのは私だから。父にパパと同じ幼稚園がいいよな?って言われたから。


この頃から父親に言われたままに父の作った線路の上を走るだけの中身空っぽ電車になってたんだと思う。




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