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高校中退と留学を決意した16歳の夏、そして21となった今言えること。<序論>

Image by Olia Gozha

年齢や学歴、性別など関係ない。全ては自分の「直観」を信じる勇気と行動力。


先日、高1の夏から書き続けている日記をふとしたきっかけから手に取り、読み返してみた。

そこには、当時のJKっぷりさながら進路に悩む自分の姿が克明に描かれていた。


「2009年9月17日(木)期末テスト2日目終了。最近悩みが大きくなってきた。『自分の長所がないのではないか』と・・・。自分のやりたいことが見つからない。みんなだいたい決まってるのに。私は将来何になりたいのだろうか。こわい、本当にこわい。」



私は現在英国の大学University College London(以下UCL)に通う学部生だ。

渡英したのは高校2年を修了した、2011年4月。日本の高校中退を決意した後、現地のシニアスクールに編入した。二年間の国際バカロレア・ディプロマコースで成功を収めた後に、当大学から入学許可を頂き、現在学部二年生である。英国のほとんどの大学が三年制のため、二年の冬となると日本の大学三年生同様、将来のキャリアを真剣に考え始める時期でもある。

やはり就活という名のキャリア人生の始まりにおいては、自己分析をいかに徹底的に行うかが自分が本当に目指す将来への「鍵」である。そういった意味で、過去の日記を振り返り、自分の中での変化を第三者視点から分析することも時には必要なのだ。

しかし重要なことは、希望した企業から内定を頂けるかどうかということだけに必死になるのではなく、その先に目指す自分の将来像をどれだけ描き、自信を持っていけるか、ではないだろうか。しかし、完璧な将来像を描いたり、その通りに生きていく必要は全くない。昔、留学に大反対した父から言われた言葉である。

「やりたいことなんて、いつでも変わる可能性があるんだからな。」

全くその通り。実際、私が高校生の時は国際法律家になりたいだとか白バイ警察官になりたいだとか、時には結婚して専業主婦になりたいなどとコロコロと考えが変わったものだ。(笑)

留学する前も、初めは大学で国際開発学を学んで途上国での貧困解決に携わりたい、という夢でいっぱいであった。しかし、出国一月前に日本を襲った東日本大震災による水質、大気汚染やエネルギー問題に加えて、イギリスに留学してから学び始めた環境学に魅了され、今では環境・エネルギー分野のいずれかに特化した専門家への道を目指している。「開発分野」が既に起きてしまった問題に対し解決策を提示する一方、「環境学」は自然科学的な視点から原因を突き止め、解決の道を探るものである。現実的には双方は互いに欠かせない分野であるが、文理という視点からすれば方向性が90度変わってくる。

しかし、だからといって将来のことを何も考えなくてもよい理由にはならない。なぜなら、日々自己分析を行う中で、時には直観的な考えがひょこっと顔を出すかもしれないからだ。スティーブ・ジョブスの有名な言葉がある。

'Have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary (Steve Jobs)'

「自分の心と直観を信じる勇気を持ちなさい。それらはどういうわけかあなたが本当になりたいものを知っているのだから。それ以外のことは全て、二の次の意味しかない。」

最後の一文はケースバイケースだと思うが、なぜ直観が大事かについてスティーブ・ジョブスの言葉に付け加えることがあるとしたら、私はさらにこう説明する。時にはそんな偶然と思える直観にも、自分の意思や価値観に何らかの変化が反映されていることもあるからだ。

私の場合は、それが「高校中退からの英国留学」であった。今思い返すと、あと1年で高校を卒業できたのに、卒業できるかもわからないイギリスの学校に飛び込むなんて、よく無茶したなあ、とも思える。(笑)当時父親が真っ向から反対したのも今になってみれば納得がいく。財政的負担はもちろんのこと、日本では「中卒」となるリスクを娘が自ら望んで、目の届かない海外へ行ってしまうのだから。

しかし、無事現地の高校も卒業し、自分が当初希望していた大学よりも入学・卒業条件共にはるかに難易度が高いUCLへ入学できた今思うことは一つである。

自分の直観を信じ、行動に移したからこそ今があるのだと。

もちろん、そんな自分の直観や意思に批判的な意見もあるだろう。時には身内の中に、時には友人や社会の中に、そしてある時には「自分自身の中にある常識」にさえ。しかし、これらは全て「自分の考えの甘さ」を指摘してくれる大切な存在である。「他人がどうこう言おうと気にするな。自分が信じる道へと進むべきだ」という言葉をよく耳にする。もちろん他人の意見に左右されずに動くことは立派である。しかし、時にはこうした批判的な見解も、自分に対する有効なフィードバックである可能性もあるのだから、しっかり耳を傾けておく必要もあるのではないだろうか。大切なのは、それらフィードバックを賛否問わず受け入れ、自分自身で論理的に分析することである。

これは、就活でも同じことが言えるのではないかと思う。

大学時代に様々な経験をし、刺激を受け、第一のキャリアを決める時となった今でも大事なこと。それは、いかに常日頃から自分の興味や関心、目指す所、達成したいことなどを熟考(自己分析)し、その思考プロセスを分析するかである。時には批判的な言葉にも耳を傾けながら。そして残るはただ一つ、そこで得られた「直観」を信じる勇気と行動力である。


このストーリーでは、私が高校中退を決意したきっかけから今にいたるまでの様々な葛藤と経験を通じて、私が大事にしてきたことを綴っていきます。また、そんな自分をこれまで様々な面で応援してくれた家族や友人、その他留学中にお世話になった方々への感謝の意も込めて。


社会に出たら、時には忘れてしまうかもしれないから。
そして、学生だからこそ今感じることを、上手く皆さんに伝えていければなあ、と思います。


このストーリーでは、当序論をはじまりとして以下のように進めていきます。

1.高校中退と長期留学の決意~16歳の夏、人生最大の挫折を味わったイギリスでのサマースクールが私に教えてくれたこと~

2.二年間の高校留学における第二の挫折とUCL受験の決意~学年ビリが成績で這い上がるためには一位を目指してはいけない~

3.UCLへの合格と大学生活~さらなる挫折と一か月に渡る不登校から学んだこと~

4.今後の展望~私がキャリアを考える上で大切にしたいこと~


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