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それはある日突然やってきた
卒業が目前に迫った大学4年の2月。わたしはつき合って半年ほどの彼氏と遠距離恋愛をしていた。彼は福岡、わたしは岐阜県に住んでいて、毎日連絡を取り合っていた。航空自衛隊の隊員だった彼は、航空自衛隊の中でも厳しいと有名な訓練のため、5ヶ月間、福岡にある基地へ訓練に出ていた。
その訓練はとてつもなく過酷らしく、山でもサバイバルを始め、苦しいことが続くらしい。平日は訓練で、土日は休み。彼らは訓練で極度のストレスにさらされているため、金・土の飲み方が半端じゃない。わたしは自衛隊基地の近くのバーでバイトをしていたからわかるのだけれど、彼らの金・土のはじけっぷりは半端ない。男子だけで飲むと、全裸は当たり前。
わたしの彼も酒好きで、金・土はきまって仲間と飲みに出かけていた。飲みにいくとメールが途絶えるのは承知していたので、連絡がこないことはあまり気に留めていたかったが、大抵、次の日の昼になると「飲み過ぎた〜」とかいってメールが入るのに、それがなかったことが、いつもと違うな、と思った。
いつもならあるはずの連絡がなく、イライラしながらも、その日は大学で一番仲のいい友だちと遊ぶ約束をしていたので、カラオケへ行った。昼過ぎだっただろうか。携帯が鳴り、見てみると、彼の職場の先輩からだった。何度か一緒に飲んだことがあるので連絡先を知ってはいたが、直接連絡があるのは初めてだった。彼と音信不通の上に、普段連絡をよこさない、彼の先輩からの電話。…不吉すぎる。
先輩
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