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はじめに
私はアルコール依存症の父の元に育ち、10代から摂取障害、自傷行為、オーバードーズ、アルコール依存、性逸脱、自殺未遂を繰り返していました。二歳違いの妹もまた同じ苦しみを抱えていました。
妹はもうすぐ25歳になるところで生きることを諦め、植物状態になりました。ショックと罪悪感で胸が押しつぶされそうになった私は自分がどうしたらいいのか全く分からず、オーバードーズと飲酒を重ねて夜の街を寝ずに俳諧しました。朦朧とした中で自分が妊娠していることに気付いたのです。
妹の命の灯は集中治療室の中で静かに少しずつ消えてゆきました。私は妊娠したけれど結婚はしたくない…葛藤しながらも未婚で出産する決意をしました。
私は“恐れ”“怒り”“哀しみ”“虚無感”“絶望感”の衣を何枚もまとったまま成長し、ずっと世の中の真実が見えずにいました。罪悪感と失望から死ぬことだけを考えてきました。妹も同じ想いで一緒に育ち、私達はいつも一緒でした。妹を救えなかった姉としての想い、暗闇の中で苦しんでいた私を救ってくれた娘への愛…二人への愛と感謝と懺悔を書き記してゆきたいと思います。
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