目的地に着いた。準備は万端だ。
俺は後部座席に座り、カワイイ女の子を見極めヒロにいくように指示をすれば良いだけ。
交渉術の賜物。
道の脇に車を止め、女の子が来るのを待つ。
数分後、さっそく2人組の女の子が来た。
見た目は悪くない!
「よし!ヒロ!キミに決めた!」
心の中でつぶやき視線をヒロに送った。
すると、ヒロはまるで無視するかのように
違う女の子を探している。
「・・・・確かに!せっかくならもっと可愛い子がいいかも!」
ナンパが目的になり、高みを狙うと言うことを僕は忘れていた。
こればかりは反省した。俺はなんて浅はかな男だったのか。と
「俺が見込んだだけはある!さすがだ。」気を取り直し女の子を探す。
それから吟味すること数十分。
文句ない2人組がやって来た!
「浜松に来てよかった〜〜♪ 今回は間違いない!ヒロ!行ってこい!」
視線をヒロに移すと、ヒロも2人組を見ている。
ヒロが助手席の窓を開けた。
女の子が車の横に差し掛かる。
そして・・・
ヒロはまるで無視するかのように
違う女の子を探しだした。
2人組は車の脇をとりすぎていく。
「・・・・おい。何しとんねん!」
「なにが?」
「イヤ、声かけろし」
「今日可愛い子いないら」
「いや、今の抜群だったろ!」
「そうけ〜?・・・・」
「・・・なんで窓あけたんだよ」
「なんか暑かったから・・・」
そうだった。 こいつチキンだった。
無駄にデカイ図体とイカツイ顔してるけどチキンだった!
俺は舞い上がっていて肝心なことを忘れていた。
また、挑発してテンション上げさすしかない。
「結局チキンか。」
「ちげーし!」
「もうお前はいいわ。俺がやる。 時間の無駄だわ」
「だったらはじめからそうしろよ!」
「は?お前がさっきやるっていたんだろ? (※前回参照)」
「ッグ、、、やるわボケ!」
「やれてねーから俺がやってやるって言っての。情けねーな。」
「は?次ぎ行くし。なめんな。」
「イヤ、それで待ってたんだけど、出来なかったじゃん。もういいわ。」
「黙ってろ。殺すぞ。」
無駄にイカツイ分迫力がヤバい。
軽くビビった。
「わかったよ。よろしく!」
情けない言葉が出たが結果オーライ。
それから、間もなくして女の子がやってきた!
顔は・・・まずまず。ここでヒロに釘を刺しとかねば!
「俺いこーか?」
「座ってろ。邪魔すんな。」
少々ビビってる顔をしていたがスルーしてあげた。
「かっこいいー!」
「本当にコイツが声かけるのか?」と言う不安と
「今の状態なら大丈夫だろ」と言う安心感の両方が心の中で対立していた。
ドキドキとワクワク。リスクと利益。
まさに俺は挑戦の真っ只中だった。
女の子が車に近づく。
あと2m…..1m。横に来た。
その時だった!
「何してんの〜?どこいくよ〜?」
ヒロが声をかけた!
ってか何だその軽い感じのトークは。
図体に似合わず、優しい声出してんじゃねーよ。
そんなことを思っていると女子が切り返してきた。
「え〜。今から家帰るとこ。」
「そうなんだ〜。送ってやるけん。車のり〜。」
いきなり、結果から?プロセスは?もう少し話したりしないの?
ってか、「けん」って何だよ。しかも「車のり〜」って軽すぎだし急だろ。
俺は一人後部座席で混乱していた。
「え〜。う〜ん。。でもな〜」
・・・・・・え?こんなんでノってくるの?
まさか!とは思い耳を疑った。迷ってる。イケル兆ししかない。
「大丈夫だよ〜。とりあえず乗りや。」
「え〜。どうする?」
女の子の一人がもう一人に聞いた。
「う〜ん。どうしよっか〜。」
これはチャンス!チャンスしかない!
するとヒロが
「2人で相談し〜や〜。」
・・・・・・・は?思いもよらないいらない言動。
ここでその優しさ一番不要!こつは優しさを勘違いしている!
これは危ない!
俺はいたたまれなくなって後部座席の窓から遂に声をかけた!
「どっちでもいいから、とりあえず中で考えよう!」
「え〜。どうしよっかな。。。」
俺はドアを開けた。
「とりあえず入んな。もう夜だから危ないよ。」
「意味わかんないんだけど〜笑 まぁいいや!」
俺は自分好みの子を後部座席に誘導した。
「もう一人は前座って〜。」
・・・・・・
・・・・
・・・
やったーーーーーー!浜松初ナンパ成功!
ってか、こんな簡単なん!?浜松!
今まで、道端のナンパはそんなにやったことないにしても超簡単だった!
プレイOーイ情報はマジで正確!
俺たちは車を走らせた。
達成感とはこのことか。
リスクを背負い挑戦する。これこそが最高にいい結果を得られる選択。
2夜にして天国と地獄を味わった俺。
ここから2年間。この地を拠点として躍進していくのであった。