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13/4/8

非コミュ・対人恐怖症を自力で克服したときの話

Image by Olia Gozha

昔、アフリカから日本に帰国したばかりの頃、同じ年頃の子供たちと上手につきあうことができず、まあ、お約束のようにイジメをうけてすっかりネクラ人間になりました。

その弊害としてかどうか、他人とコミュニケーションすることがものすごく難しかった時期が私にはあります。

というか、他人がね、ものすごく怖かったんですよ。一度なぞ、渋谷の人ごみを歩いているとき、周囲の人たちの目が恐ろしくなって、走って逃げ出したこともあるくらい。ほとんどパニック障害でしたね、ありゃ。

今回はそれをどうやって克服したか、という話。

まず通行人にさえ恐怖を感じるようでは、外も歩けないので、そこから改善する必要がありました。

そこで、ちょっとした訓練を自分で考え、実践してみたところ、これが思いがけずよかったんですよ。

具体的にどうやるか。

じつは、すごく簡単。

外を出歩くときは、目の焦点をどこにも合わせないようにするだけ(笑)

つまり目は開いているんだけど、ぼんやりとしか見ていない、という状態にするんです。

このとき、顔はまっすぐ前を向いたままにして、極力キョロキョロしないようにします。

もしも難しいと感じたら、地平線を意識して(街中じゃまず見られないけど、心で思い浮かべて)その地平線があるずっと遠い地点に向けて視点を固定する、と上手くいきます。

この状態で街中を歩く。

もしちょっとでも恐怖を感じたら、その場で深呼吸。

心が落ち着いたら、また歩く。この繰り返し。

あせらず、ちょっとずつ。

なれてくると、遠くの一点を見つめるというよりは、周囲全体をなんとなく目の端で捉えているんだけど、どの一点にも意識が捉われていない、という状態になります。

こう書くと、なんか武術の心得みたいな話ですが、わりと通ずる部分もあるんじゃないかと思うんですよね。

人が怖い、ということはその何者かに過剰に注意が向き、余分な精神力を消耗する、ということです。

この結果、思わずキョロキョロしたり、あるいは逆に顔を伏せながら歩いたりしがちなんですが、まずこの状態をやめる。

そして、実際にやってみるとわかるんですが、この状態で街中を歩くと、一定の確率で向こう側から歩いてくる人が、ちょっとお辞儀をしたり、目礼をしたり、あるいは逆に目を伏せたりすることがわかります。

まったく面識がないはずなのに、なぜかそうする人がけっこういるんですよ。思い当たる人、結構いるんじゃないでしょうか?

で、そういった人々の振る舞いを目の当たりにしつつ、顔を上げて歩いていると、だんだんと自分の中で自信が生まれててくるんですよね。そして、そうやって歩くことが当たり前になっていく。

こうやって小さな達成感とか、自信を積み重ねていくと、対人関係にもいい影響が出てくる。そして次のステップを踏み出すことができるようになる、という訳です。

会話の仕方とか、考え方とか、実際に自分が取り入れた方法は他にもいろいろあるんですが、とりあえず思いついた分だけ書きました。

ちなみに嫁と一緒に歩いていると、「ぼーっとして人の話を聞いていない」とよく叱られるんですよ。

どこか一点だけに捉われないための訓練、ということがなかなか理解されない、それが今の悩みのタネ。

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Image by Jukka Aalho

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