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14/7/9

Snet 悪徳競馬予想会社体験談 月20万の情報の真実

Image by Olia Gozha

この体験談は真実です。
※今回の体験談の予想会社は現在は存在しません。

社会人1年目、仕事内容も覚えてきて時間と気持ちに余裕が出てきた頃。
通勤で利用していた電車で一冊の本を拾った。※週刊誌(大衆誌)

通勤時間は約1時間。

拾った週刊誌は隅から隅まで読めてしまう程の時間がある。
そこでとあるページが目に留まった。

今改めて読めば、ページの下に小さく「PR」と書いてあることに気付いただろう。
しかし社会人1年目の私は全く気付かなかった。
(PR=広告)
週刊誌のの記事の一部だと思い込み、そのページの内容を鵜呑みにしてしまった。

その内容をまとめると
・馬券を毎週当て続けているサラリーマンがいる。
・そのサラリーマンは毎週何十万もの払い戻しを獲得している。
・そのサラリーマンを直撃すると予想会社から馬券の買い目を教えてもらっていると言う。
・そこでその予想会社へ取材を申し込むと特別に今週の予想を雑誌読者の方へ無料公開してくれると言う。
・無料公開される予想を聞きたい方は電話下さい。

という感じである。

今思えば明らかに怪しい内容なのだが、当時の私は全く怪しむこともせず
「こんなに凄い予想会社があるのか」
「こんな簡単に馬券が当たるなら無料だし申し込んでみよう」
と次の日の昼休みにこの予想会社へ電話をかけてしまった。

これが悪夢の始まりだとは知らずに。

電話をかけると感じの良い男性が対応をしてくれた。
無料予想を聞く為には会員登録が必要とのことで、自宅の住所と電話番号、名前を男性へ教えた。
肝心の雑誌に記載のあった無料予想は週末に公開するとのこと。
予想の入手方法は若干面倒、レース当日に専用の電話番号に電話する。
午前と午後の2回、専用の番号で予想を公開するとのこと。
この登録の時点ではお金は1円もかかっていません。

週末の無料予想に期待が膨らむ。
雑誌の記事が真実ならば、週末言われた通りに馬券を買うだけで2,30万を簡単に手にすることが出来る。
当時の2,30万といえば新卒の初任給の約1.5倍以上の大金だ。
期待は膨らむ。

そして期待大の週末、無料予想を聞く為に指定の番号へ競馬場から電話をする。
買い目を聞いたらすぐに馬券を買えるように競馬場から電話をかけたのだ。

・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・

銀行から3万円を引き出し、その3万円は電話で指定された通りの馬券を購入した。
3万円とはいえ、指定された買い目は僅か3点であり的中すれば20万円を超える払い戻しになる。
私は緊張のあまりレースを見ることが出来ず、競馬場のトイレでレースの実況を静かに聞いた。

しかし結果は不的中。

馬券は一瞬で紙屑となった。
3万円とはいえ、新卒社会人には大きな金額。
それが僅か数分で紙屑となったのだからショックが大きかった。
オケラ街道とはよくいったものでショックのあまり、競馬場から自宅まで2時間何も考えずに歩いて帰った。

しかしこの話はここでは終わらない。
ここからが本番だ。

3万円の馬券が紙屑となった事件の怒りも収まり、競馬のことを忘れかけていた翌週の火曜日。
予想会社から郵便が届いた。
封を開けると予想会社の作成した会報誌が入っていた。

ページ数は7,8ページ程度の薄いモノだが、内容は濃い。
今週末の勝負レースの特集、競馬情報など読み応えのある内容だ。
そして会報誌の最後に先週の有料予想の成績が掲載されている。

先週外れた時点で予想会社への興味が完全に薄れていたのだが、成績だけは確認しようと成績ページを見る。
すると・・・・

????

先週の成績は3戦3勝
帯札(100万円)以上の払い戻しを獲得、会員の皆様おめでとうございます。
と掲載されているのだ。

これは一体どういうことだ?
私が聞いた予想はかすりもせずに外れている。
帯札どころの騒ぎではない。
この予想会社は嘘をついているのか?

この嘘の予想結果に忘れかけていた怒りがこみ上げ、予想会社へクレームの連絡を入れた。
しかしこれは予想会社の巧妙な罠だったのだ。


次へ続く


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